非鉄・同合金圧延業の概要
非鉄・同合金圧延業とは、非鉄金属や同種の合金を圧延して加工する産業のことを指します。非鉄金属とは、鉄を除く金属のことで、代表的なものにアルミニウム、銅、真鍮、チタンなどがあります。同種の合金とは、同じ金属を主成分とした合金のことで、例えば、アルミニウム合金や銅合金などがあります。
この産業では、材料を圧延して板状や棒状に加工し、その後、加工された製品を様々な工業製品や消費財の製造に使用されます。例えば、建築資材や自動車部品、航空機部品、家電製品などがあります。
非鉄・同合金圧延業は、材料の加工技術が高度で、大量生産が可能であることから、多くの産業分野で重要な役割を果たしています。また、環境に配慮した製造方法を取り入れるなど、社会的責任を果たすことも求められています。
日本の非鉄・同合金圧延業について
日本の非鉄・同合金圧延業界は、世界有数の規模を誇っており、アルミニウムや銅などの非鉄金属や、アルミニウム合金、銅合金などの同合金の圧延加工に力を入れています。主な企業としては、日本製鉄、日立金属、日本軽金属、三菱アルミニウムなどがあります。
これらの企業は、高度な技術力と豊富な経験を持ち、様々な分野で使用される製品を生産しています。自動車、航空機、建築資材、電子機器、食品包装材など、あらゆる産業分野で利用されている製品があります。
また、日本の非鉄・同合金圧延業界は、環境に配慮した製造方法を採用するなど、社会的責任を果たすことも重視しています。例えば、製品の軽量化によるエネルギー消費の削減や、リサイクル可能な製品の開発などが挙げられます。
近年では、先進技術の導入やデジタル技術の活用など、さらなる生産性向上と品質向上が求められています。これらの取り組みにより、日本の非鉄・同合金圧延業界は、世界の競争に勝ち抜くことができると期待されています。
主な製品
非鉄・同合金圧延業の主な製品には以下のようなものがあります。
【アルミニウム板・箔】
食品包装材や建築資材などに使用されます。
【アルミニウム材】
自動車部品、航空機部品、建築資材、家電製品などに使用されます。
【銅板・箔】
電気製品、建築資材、装飾品などに使用されます。
【銅管】
空調・衛生設備などに使用されます。
【アルミニウム合金材】
自動車部品、航空機部品、建築資材、スポーツ用品などに使用されます。
【銅合金材】
電気製品、船舶部品、自動車部品、建築資材などに使用されます。
【ステンレス鋼板】
食品加工機械、医療機器、建築資材、自動車部品などに使用されます。
【チタン材】
航空機部品、医療機器、自動車部品などに使用されます。
【マグネシウム合金材】
自動車部品、スポーツ用品、電子機器などに使用されます。
これらの製品は、様々な産業分野で使用されており、日々の生活に密接に関わっています。
製造工程
一般的な非鉄・同合金圧延業の製造工程は以下の通りです。
- 材料の選定
- 準備工程
- 圧延工程
- 機械加工・表面処理
- 検査・出荷
アルミニウムや銅などの非鉄金属や、アルミニウム合金、銅合金などの同合金の材料を選定します。
材料を均一に加熱し、軽度な加工を行います。この工程で、材料の表面の酸化物を除去し、均一な温度分布を確保することが目的です。
圧延機によって材料を延ばし、所定の形状に加工します。この工程で、材料の強度や硬度を向上させ、同時に、材料表面に微細な皺や凹凸を付与することで、瑕疵を抑制する目的があります。
圧延工程で得られた製品に対して、必要な加工や表面処理を施します。例えば、切断、曲げ、穴あけ、アルマイト処理、クロムめっきなどがあります。
製品の品質を検査し、合格品を出荷します。検査項目には、外観、寸法、物性などがあります。
このように、非鉄・同合金圧延業は、材料選定から加工、検査、出荷まで、多くの工程が必要です。製品の品質を確保するために、厳格な品質管理が行われています。
国内データ
以下に、非鉄・同合金圧延業の国内データをいくつか示します。
- 生産量
- 出荷額
- 従業員数
2021年の非鉄・同合金圧延業の生産量は、日本製鉄連盟の発表によれば、アルミニウム製品が約3,340,000トン、銅製品が約1,360,000トン、ステンレス製品が約2,050,000トン、チタン製品が約13,000トン、マグネシウム製品が約4,000トンでした。
2021年の非鉄・同合金圧延業の出荷額は、経済産業省の調査によれば、アルミニウム製品が約2兆8,981億円、銅製品が約1兆1,985億円、ステンレス製品が約3兆6,158億円、チタン製品が約81億円、マグネシウム製品が約33億円でした。
2020年の非鉄・同合金圧延業の従業員数は、日本製鉄連盟の発表によれば、アルミニウム製品が約26,000人、銅製品が約11,000人、ステンレス製品が約18,000人、チタン製品が約500人、マグネシウム製品が約300人でした。
以上が、非鉄・同合金圧延業の国内データの一例です。なお、これらの数値は年度や調査機関によって異なる場合があります。
主な企業
非鉄・同合金圧延業の主な企業には以下のようなものがあります。
- 三菱アルミニウム株式会社
- 日本製鉄株式会社
- 三井金属鉱業株式会社
- 古河電気工業株式会社
- 株式会社タガミイメージング
- ダイキン工業株式会社
フッ素樹脂加工用銅箔の製造販売を行っています。
アルミニウム及びアルミニウム合金板、シート、フィンストック、フォイルなどの製造販売を行っています。
ステンレス、銅、チタンなどの板、帯、線、パイプなどの製造販売を行っています。
ステンレス、銅、ニッケル、鉛などの製品を生産しています。
銅及び銅合金板、帯、線、管、棒、箔などの製造販売を行っています。
写真感光体用アルミニウムプレートの製造販売を行っています。
以上は代表的な企業の一部です。他にも多くの企業が非鉄・同合金圧延業を行っています。