ハンドドライヤー(非接触)とは?
ハンドドライヤー(非接触)とは、手洗い後に手を乾かすための装置で、センサーにより手をかざすだけで自動的に風を吹き出す非接触型の乾燥機です。ペーパータオルや共用タオルを使用せず衛生的に手を乾燥できるため、食品工場・研究施設・製造現場の衛生エリアでの導入が進んでいます。
なぜ非接触型が重要なのか?
手洗いの目的は「汚れや菌を洗い流すこと」ですが、その直後に共用のタオルや接触型ドライヤーを使用すると、再び菌に触れるリスクが生じます。非接触型ハンドドライヤーであれば、乾燥時に一切の接触がないため、感染症予防・異物混入対策の観点からも効果的です。
主な使用シーン
- 食品製造工場の衛生区域(クリーンエリア)
- 医療機関・ラボ・薬品製造工程
- トイレ・更衣室・手洗い場の乾燥設備
- 来客用・見学エリアの衛生対応
- 感染症対策を重視するすべての事業所
ハンドドライヤーの種類と特徴
タイプ | 構造 | 特徴 |
---|---|---|
ジェットタイプ | 上下から高速風で挟み込む | 短時間で高速乾燥。風量が強い |
ノズル式(上吹き) | 上から温風を吹き下ろす | 設置がコンパクトで衛生的 |
ヒーター付き | 温風でじんわり乾燥 | 冬場に冷風を避けたい場所向け |
除菌機能付き | UVやHEPAで空気を清浄化 | 衛生レベルが求められる施設向け |
導入メリット
- 接触ゼロで衛生的、交差感染リスクを抑制
- ペーパー類のコスト・廃棄物削減に貢献
- 高速乾燥で回転率が向上、混雑を防止
- 電力効率に優れたモデルでランニングコストも最適化
導入事例と効果
ある冷凍食品工場では、手洗い→アルコール消毒の前段に非接触ハンドドライヤーを設置。従来のタオル使用を廃止したことで、異物混入リスクがゼロになり、食品衛生監査でも高評価を獲得。年1回のペーパータオル費用30万円の削減にも成功しました。
選定時のチェックポイント
- 使用人数と乾燥スピード(風速・風量)
- 騒音レベル(dB)と設置場所への配慮
- 排水処理の仕組み(内部タンク/排水管接続)
- 空気清浄機能(HEPA・UVライト)の有無
使用上の注意点
風の跳ね返りによる飛沫拡散や、使用直後の床の濡れ対策が必要です。定期的な吸気口の清掃と、排水タンクのメンテナンスを怠ると、不衛生な状態となり本来の効果が損なわれます。
今後の展望
非接触ハンドドライヤーは、AI顔認証との連携による衛生ログの記録や、空気質センサーと組み合わせた「環境連動型」のスマート化が進んでいます。衛生対策・ESG対応・省資源化の三拍子を兼ね備えた設備として、今後も導入拡大が期待されます。