電子・通信機器用部品製造業

電気機械器具製造業

電子・通信機器用部品製造業の概要

電子・通信機器用部品製造業は、電子機器や通信機器に必要な部品を製造する産業のことを指します。具体的には、抵抗器、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、IC(集積回路)などの電子部品や、アンテナ、通信ケーブル、無線通信機器などの通信機器部品が含まれます。

この産業は、情報通信技術の急速な発展に伴い、ますます重要性を増しています。例えば、スマートフォンやタブレット端末、コンピューター、テレビなどの電子機器が普及し、高速かつ安定した通信環境を実現するための通信機器が必要とされるからです。

電子・通信機器用部品製造業は、高度な技術力や品質管理能力が求められる産業です。また、環境や安全面にも配慮する必要があります。

日本の電子・通信機器用部品製造業について

日本の電子・通信機器用部品製造業界は、世界的にも有数の産業のひとつです。1960年代には既に、日本の電子産業は世界でもトップクラスの地位を確立しており、その後も技術力や品質管理力の高さから、世界的に高い評価を得ています。

この産業には、主に大手の部品メーカーが多く存在しており、代表的な企業としては、三菱電機、村田製作所、TDK、日立製作所、富士通、キーエンス、日本電気(NEC)などが挙げられます。

これらの企業は、電子部品や通信機器部品の分野で高い技術力を有しており、世界的な需要に応えるため、海外にも多くの拠点を持っています。また、最近ではIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)技術の発展に伴い、センサーや通信モジュールなどの部品も求められるようになってきています。

しかしながら、中国などのアジア諸国においても、電子・通信機器用部品製造業界は急速に成長しており、日本企業が競争に勝ち抜くためには、更なる技術革新や製品の付加価値向上が必要とされています。

主な製品

電子・通信機器用部品製造業が製造する主な製品には、以下のようなものがあります。

【抵抗器】
電気回路において電流の流れを制限する役割を持つ部品です。主に固定抵抗器や可変抵抗器があります。

【コンデンサ】
電気回路において電荷を蓄える役割を持つ部品です。主にキャパシタ、トンネルダイオード、電解コンデンサなどがあります。

【トランジスタ】
電気信号を増幅する役割やスイッチングを制御する役割を持つ部品です。主にバイポーラトランジスタ、フィールド効果トランジスタがあります。

【ダイオード】
半導体素子の一種で、電流が一方向にしか流れないようにする役割を持つ部品です。主にシリコンダイオード、ガラス二酸化物ダイオード、ダイオードブリッジがあります。

【電子回路基板】
電子部品を搭載するための基盤となる部品で、主に印刷基板、フレキシブル基板、セラミック基板があります。

【通信機器部品】
アンテナ、通信ケーブル、無線通信機器など、通信機器の動作に必要な部品が含まれます。

これらの部品は、様々な電子機器や通信機器に使用されます。また、最近ではIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)技術の発展に伴い、センサーや通信モジュールなどの部品も求められるようになってきています。

製造工程

電子・通信機器用部品製造業の製造工程は、一般的に以下のような手順で行われます。

  1. 原料の調達
  2. 部品の製造に必要な素材や化学物質を調達します。

  3. 製造プロセスの設計
  4. 部品の仕様に合わせて、製造プロセスを設計します。

  5. 製造ラインの設置
  6. 部品を製造するための生産設備や検査装置を設置します。

  7. 部品の製造
  8. 設計した製造プロセスに基づいて、部品を製造します。具体的には、半導体の製造、基板の加工、コイルの巻き付けなどがあります。

  9. 検査・評価
  10. 製造された部品について、品質検査や機能評価を行います。

  11. 包装・出荷
  12. 品質検査や機能評価を通過した部品を、適切な包装材料に包んで出荷します。

このように、電子・通信機器用部品製造業の製造工程は、高度な技術を要する部分が多く含まれています。また、品質管理にも高い水準が求められ、製品の信頼性や安全性を確保するために、厳格な品質管理システムが運用されています。

国内データ

日本の電子・通信機器用部品製造業の国内データをいくつか紹介します。

  • 生産額:2021年度の生産額は約15兆円であり、総工業の生産額のうち約5%を占めています。
  • 従業員数:2021年度の雇用者数は約19万人であり、総工業の雇用者数のうち約1%を占めています。
  • 輸出額:2021年度の輸出額は約7兆円であり、日本の総輸出額のうち約17%を占めています。
  • 主要輸出先国:主要な輸出先国は、中国、韓国、アメリカ合衆国、香港、台湾などです。
  • 主要製品:主要な製品は、抵抗器、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、電子回路基板などです。
  • 技術開発:日本の電子・通信機器用部品製造業は、高度な技術開発が進んでおり、最先端の半導体技術やIoT技術の開発などに注力しています。

以上のように、日本の電子・通信機器用部品製造業は、高い生産性と技術力を持ち、世界的にも高い評価を受けています。

主な企業

日本の電子・通信機器用部品製造業には多くの企業が存在しますが、以下に代表的な企業をいくつか紹介します。

  1. 三菱電機株式会社
  2. 半導体デバイス、電子デバイス、電力・インフラシステム、FAシステムなどの製品を提供しています。

  3. パナソニック株式会社
  4. リチウムイオン電池、モーター、コンデンサ、センサーなどの製品を提供しています。

  5. 日立製作所株式会社
  6. 半導体製造装置、液晶ディスプレイ、エレクトロニクス製品などの製品を提供しています。

  7. 京セラ株式会社
  8. セラミック製品、デバイス、電子部品などの製品を提供しています。

  9. 村田製作所株式会社
  10. セラミックコンデンサ、センサー、パッケージなどの製品を提供しています。

  11. TDK株式会社
  12. フェライトコア、センサー、マグネット、モジュールなどの製品を提供しています。

これらの企業は、日本を代表する電子・通信機器用部品製造業の企業であり、高い品質と技術力を持っています。

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