ブリキ製品製造業の概要
ブリキ製品製造業は、主に薄板金属であるブリキを使用して、製缶、製缶用部品、製造用部品、自動車部品、家庭用品などの製造を行う産業です。
ブリキは、スチールやアルミニウムなどの金属の薄い板で、主に鉄の表面を錫でめっきしたものです。
ブリキ製品製造業は、食品缶、容器、自動車部品、電気製品、建材、ホームセンター用品、製造機器部品など、さまざまな製品を製造しています。ブリキ製品は、耐久性があり、加工しやすく、さまざまな形状に成形することができるため、多くの産業で使用されています。
日本のブリキ製品製造について
日本のブリキ製品製造業界は、長い歴史を持つ伝統的な産業の一つであり、高品質で信頼性の高い製品を世界に供給しています。主な製品は、食品缶や飲料缶、家庭用品、自動車部品、建材などです。
日本のブリキ製品製造業界は、製造技術や品質管理の面で世界的に高い評価を受けており、特に食品缶や飲料缶の製造技術は高度なものとなっています。日本のブリキ製造業界は、製品の品質や安全性に対する厳格な規制を受けており、そのために技術力の向上や品質管理の強化が進んでいます。
また、近年では、環境に配慮した製品の開発にも力を入れており、リサイクル可能な素材の利用や製品の軽量化、エネルギー消費量の削減など、環境に優しい製品の開発や製造が進んでいます。
ただし、海外での競合や、代替素材の普及などにより、国内のブリキ製品製造業界は厳しい競争環境にあります。このため、製品の高付加価値化や技術力の強化、海外市場への進出など、さまざまな取り組みが求められています。
主な製品
ブリキ製品製造業の主な製品には以下のようなものがあります。
【食品缶】
加工食品や保存食品などを入れる缶で、錫めっきされたスチール缶が主流です。
【飲料缶】
ジュースやビールなどの飲料を入れる缶で、アルミニウム缶が主流です。
【家庭用品】
キッチン用品や生活雑貨など、日常生活に使われる様々な製品があります。
【自動車部品】
エンジン部品やボディパーツ、排気管など、自動車製造に欠かせない部品を製造しています。
【建材】
屋根材や壁材、建築用部品など、建築物の外装・内装に使用される製品を製造しています。
【工業用部品】
機械部品や工業用機器の部品など、産業機械や製造ラインで使用される部品を製造しています。
これらの製品は、ブリキの特性である加工性や耐久性を生かした形で製造され、多くの産業で使用されています。
製造工程
ブリキ製品製造業の製造工程は、大まかに以下のような手順で進められます。
- 板金加工
- 溶接・接合
- 塗装
- 印刷
- 成形
- 加工
- 検査
- 出荷
鉄板やアルミニウム板を切断・折り曲げ・曲げ加工などの板金加工を行い、部品を製造します。
板金部品を溶接や接合で組み立てます。
部品に塗料を塗り、表面を保護し、美観を出します。
食品缶や飲料缶などには、ラベルやロゴなどを印刷するための工程があります。
飲料缶などの成形を行います。アルミニウム缶は成形前にボディが製造され、その後内部に圧力をかけ、形を整えています。
部品の加工や加工面の研磨を行います。
完成品に対して品質検査を行い、品質が問題ないかどうか確認します。
製品の梱包や出荷を行います。
製造工程は、製品によって異なる場合があります。また、最近では、省エネルギーや環境への配慮から、製造工程の見直しが進んでおり、より効率的かつ環境にやさしい製造方法が模索されています。
国内データ
以下は、日本におけるブリキ製品製造業の主な統計データです。
- 年間生産額(2020年):約2,214億円
- 年間従業員数(2020年):約10,000人
- 出荷額(2020年):約2,232億円
- 輸出額(2020年):約1,057億円
- 主な生産品目:食品缶、飲料缶、金属包装容器、自動車部品、家庭用品、工業用部品など
このように、日本のブリキ製品製造業は、年間生産額や従業員数が一定数存在し、輸出も盛んである産業です。また、様々な分野で使用される製品が生産されています。
主な企業
日本におけるブリキ製品製造業の主な企業としては、以下のような企業が挙げられます。
- 日本製罐株式会社
- トーメンデバル株式会社
- サンヨーコーケン株式会社
- 大日本印刷株式会社
- ニチアス株式会社
- リンテック株式会社
- 日本パッケージ株式会社
- トーホー株式会社
- 三田製罐株式会社
- 日本金属パッケージ株式会社
これらの企業は、食品缶や飲料缶をはじめ、多岐にわたるブリキ製品を製造しています。また、一部の企業は自動車部品や建材など、他の産業にも進出しています。