革製手袋製造業

なめし革・同製品・毛皮製造業

革製手袋製造業の概要

革製手袋製造業とは、本革を素材として使用して、手袋を製造する産業です。革製手袋は、防寒、防水、耐久性などの特性から、ファッションアイテムやスポーツ用品、労働用品など幅広い分野で使用されています。

この産業では、革の選定、裁断、縫製、仕上げなどの工程が行われます。また、製品によっては、特殊な加工が必要となる場合もあります。例えば、耐水性を高めるために、革に防水加工を施したり、柔軟性を高めるために革にオイルを染み込ませたりすることがあります。

革製手袋製造業は、伝統的な技術や職人技を駆使して製品を作り出すことが多く、製品の品質やデザインにこだわることが特徴的です。しかし、近年では、機械化や自動化が進み、より効率的に生産することが求められるようになっています。

日本の革製手袋製造業について

日本の革製手袋製造は、高品質な製品を作り出す伝統的な技術があります。

日本の革製手袋製造は、主に以下のような特徴を持ちます。

【高品質な素材の使用】
日本では、良質な革素材を厳選して使用することが一般的です。革は、肉厚で柔らかく、強度があり、耐久性が高いものが選ばれます。

【熟練した職人の技術】
革製手袋製造には、多くの工程があり、それぞれの工程で熟練した職人が手作業で作業を行います。特に、縫製の技術は高く評価されています。

【独自のデザイン】
日本の革製手袋は、機能性や美しさを追求したデザインが特徴的です。伝統的な和のデザインを取り入れた製品も多くあります。

【カスタムオーダーの提供】
多くのメーカーでは、顧客の要望に合わせたカスタムオーダーを提供しています。サイズや素材、デザインなどを自由に選択できるため、個性的な手袋を手に入れることができます。

日本の革製手袋製造は、長い歴史と熟練した技術に支えられ、世界中から高い評価を受けています。

主な製品

革製手袋製造業の主な製品には以下のようなものがあります。

【ドライビンググローブ】
高級車の運転手が使用する手袋で、薄手の革素材で作られ、指の先が開いているタイプが一般的です。

【スポーツグローブ】
野球、ゴルフ、テニスなどのスポーツで使用される手袋で、防水性や通気性が高いものや、グリップ力を強化するための加工が施されたものがあります。

【ファッショングローブ】
冬季に防寒用として着用する手袋や、ドレスアップ用のファッショングローブがあります。ファッショングローブは、細身のデザインや装飾性が高いものが一般的です。

【労働用手袋】
建設、製造、農業など、様々な産業分野で使用される手袋で、保護性が高く、作業中の摩擦や衝撃から手を守るための機能があります。

【ミリタリーグローブ】
軍事用途で使用される手袋で、防水性や防寒性が高く、手の動きを妨げないようなデザインが特徴的です。

以上のように、革製手袋は、様々な用途に合わせた製品が存在しており、その特性から広く使用されています。

製造工程

一般的に、革製手袋の製造工程は以下のような流れで行われます。

  1. 革素材の選定
  2. 最初に、良質な革素材を選定します。革の種類や厚み、柔らかさ、色、質感などを考慮し、適切な素材を選びます。

  3. パターン作成
  4. 次に、手袋のパターンを作成します。デザインやサイズに合わせて、紙や布を使ってパターンを作ります。

  5. 革のカット
  6. パターンを元に、革をカットします。このとき、熟練した職人が手作業で丁寧にカットを行います。

  7. 縫製
  8. カットされた革を縫製して、手袋の形に仕上げます。糸の色や太さ、縫い目の種類など、細かい部分までこだわって縫製を行います。

  9. 完成
  10. 手袋が完成したら、手袋の形を整えたり、革の表面を仕上げたりします。最後に、品質検査を行い、不良品がないことを確認してから、製品を出荷します。

以上が一般的な革製手袋の製造工程ですが、製造業者によっては、特定の工程を省略する場合や、別の工程を追加する場合もあります。また、カスタムオーダーを受け付ける場合には、顧客の要望に合わせて製造工程を調整することもあります。

国内データ

以下は、日本の革製手袋製造業に関するデータです。

  • 2020年時点で、日本国内の革製手袋の生産量は約250万点、出荷額は約144億円となっています。
  • 生産量のうち、最も多い製品は労働用手袋であり、その次にファッショングローブ、スポーツグローブ、ドライビンググローブ、ミリタリーグローブが続きます。
  • 日本の革製手袋の輸出額は、2020年に約6.9億円となっています。主な輸出先は、アメリカ、ドイツ、韓国、フランス、台湾などです。
  • 日本の革製手袋製造業は、主に中小企業が中心となっています。2020年時点で、革製手袋製造業者の数は約500社、従業員数は約5,000人となっています。

革製手袋の需要は、冬季の防寒用手袋や、ファッションアイテムとしての需要が中心となっています。また、労働用手袋の需要もあるため、製品のバリエーションが多岐にわたっています。

主な企業

日本の革製手袋製造業には、以下のような主要な企業があります。

  1. ユナイテッドアローズ
  2. ファッションアイテムとしての革製手袋を製造している企業で、自社ブランド「UNITED ARROWS」「BEAUTY & YOUTH」の他、多くの有名ブランドとのコラボレーションも行っています。

  3. オンワード樫山
  4. 「ALPHA」「山羊のしっぽ」などのブランドで、ファッションアイテムとしての革製手袋のほか、スポーツグローブや労働用手袋も製造しています。

  5. ノーススターグローブ
  6. 主に労働用手袋を製造している企業で、防寒用の厚手の手袋や、耐火性や防刃性のある手袋など、用途に応じた製品を取り揃えています。

  7. 高島屋
  8. 高級革製品を扱う百貨店で、自社ブランド「高島屋バイヤーズショップ」のほか、海外ブランドの革製手袋も取り扱っています。

  9. レザークラフトハマナカ
  10. 革製手袋のほか、革製品全般を扱う製造業者で、手作りの革製品を販売しています。

他にも、多くの中小企業が革製手袋製造業に参入しており、多種多様な製品を取り扱っています。

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