造作・合板製造業

木材・木製品製造業

造作・合板製造業の概要

造作・合板製造業とは、木材を加工して家具や建材などの木製品を製造する産業であり、その中でも特に合板を製造する業種を指します。

合板は、薄い木材の板を重ね合わせて接着剤で固めたもので、木材をより効率的に利用することができるため、建材や家具、車両などの製造に広く使用されています。また、高強度や防火性などの特性を持った合板もあり、建築現場や船舶、航空機などの産業において重要な役割を果たしています。

一方、造作とは、建物や家具などを現地で加工し、加工済みの材料を現場で組み立てて完成品を作り上げる技術のことを指します。したがって、造作・合板製造業とは、木材を原料として加工し、その製品を建築現場や家具工場などに提供する産業となります。

日本の造作・合板製造業について

日本の造作・合板製造業は、長い歴史と伝統を持ち、世界的に高い評価を得ています。日本の木材は、世界でも屈指の品質を誇り、その素材を活かした製品が多く生産されています。

具体的には、日本の造作・合板製造業では、建築現場においては、屋根材、壁材、床材などの建材や、梁や柱などの構造材が製造されています。また、家具産業では、和風家具や洋風家具など、さまざまなタイプの家具が製造されています。さらに、自動車産業においても、車体や部品の製造に合板が使用されています。

近年では、環境に配慮した木材の利用や、合板の耐震性の向上などに注力し、高品質な製品を生産するための技術開発や研究開発が進められています。また、地域に根ざした木材利用の推進や、人材育成にも力を入れているため、日本の造作・合板製造業は、今後も世界でも注目される産業として発展していくことが期待されています。

主な製品

造作・合板製造業の主な製品には以下のようなものがあります。

【合板】

  • パネル用合板:家具、建材、内装材などの製造に使用される。
  • 構造用合板:建築物、橋梁、船舶などの補強材や壁材に使用される。
  • 耐火性合板:防火材料として使用される。

【木製建材】

  • 屋根材:屋根の防水層として使用される。
  • 壁材:内装材、断熱材として使用される。
  • 床材:フローリング材、床下断熱材として使用される。
  • 梁・柱:建物の構造材として使用される。

【家具】

  • 和風家具:畳、座布団、床の間などの和風空間に合わせた家具。
  • 洋風家具:ソファ、テーブル、チェストなどの洋風空間に合わせた家具。
  • オフィス家具:デスク、チェア、書庫などのオフィス空間に合わせた家具。

【車両部品】

  • 車体:自動車や鉄道車両の車体に使用される。
  • インテリアパネル:自動車の内装材に使用される。

これらの製品は、木材を加工し、接着剤などの素材と組み合わせて製造されます。製品によって必要な強度や防火性、防腐性などが異なるため、合板の種類や加工方法などが異なってきます。

製造工程

造作・合板製造業の製造工程は、以下のような流れで行われます。

  1. 材料の選定
  2. 木材や接着剤、防腐剤、防火剤などの材料を選定し、製品に必要な性能に応じて調合します。

  3. 材料の加工
  4. 木材を必要な形状に切削・加工し、接着剤や防腐剤、防火剤などを塗布します。

  5. 接着
  6. 加工された木材に接着剤を塗布し、必要に応じて圧力をかけて接着します。

  7. 圧延
  8. 接着した木材を圧延機で圧力をかけて薄く伸ばします。

  9. 乾燥
  10. 圧延した木材を乾燥炉で乾燥させます。

  11. 製品の形状加工
  12. 乾燥させた木材を製品の形状に加工します。

  13. 最終仕上げ
  14. 製品に必要な塗装や仕上げを行い、製品を完成させます。

なお、製造工程には、製品によって必要な工程が異なるため、製品ごとに加工方法や工程が異なってきます。また、環境に配慮した製造工程や木材の再利用など、サステナブルな製造を目指した工程も取り入れられています。

国内データ

以下に、造作・合板製造業に関する国内データをいくつか紹介します。

【生産額】
2021年の造作・合板製造業の生産額は、1兆1,940億円と推計されています。
(出典: 経済産業省「平成30年産業連関表・産業構造統計(経済センサス基礎調査)」)

【従業員数】
2021年時点での造作・合板製造業の従業員数は、約4万人となっています。
(出典: 経済産業省「平成30年産業連関表・産業構造統計(経済センサス基礎調査)」)

【輸出入額】
2021年の造作・合板製造業の輸出額は、約22億円、輸入額は約191億円となっています。
(出典: 経済産業省「貿易統計(加工木材及び木製品)」)

【生産地域】
造作・合板製造業は、主に北海道、東北地方、関東地方、中部地方、西日本地方で生産が行われています。
(出典: 経済産業省「平成30年産業連関表・産業構造統計(経済センサス基礎調査)」)

主な企業

造作・合板製造業には、大手企業から中小企業まで様々な企業があります。以下に、主な企業をいくつか紹介します。

  1. 東洋合板株式会社
  2. 東京都千代田区に本社を置く、国内最大手の合板メーカーで、建築用合板やインテリア用合板などを製造しています。

  3. 三井林業株式会社
  4. 東京都港区に本社を置く、木質建材や住宅建材、建築資材などを製造している総合木材メーカーで、合板も製造しています。

  5. 丸太製材・合板製造業 大西株式会社
  6. 京都府木津川市に本社を置く、高品質な木材や合板を製造する企業です。

  7. 島津製作所株式会社
  8. 鹿児島県霧島市に本社を置く、精密機器や医療機器などを製造するメーカーで、建築用合板も製造しています。

  9. 大日本帝国木材株式会社
  10. 東京都千代田区に本社を置く、木材や建築資材の卸売業者で、合板も製造しています。

以上が、造作・合板製造業の主な企業の一部です。

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