ハンドリングアームとは?
ハンドリングアームとは、部品や製品の持ち上げ・移動・位置決めなどの作業を支援・自動化するアーム型装置です。人の手作業を補助または代替することで、作業負荷の軽減や安全性の向上、作業効率の向上が期待されます。特に重量物や繊細な部品の取り扱いにおいて、多くの製造現場で活用されています。
主な種類と特徴
タイプ | 特徴 | 主な用途 |
---|---|---|
手動アシスト型 | 空気圧や電動による補助で、作業者が操作 | 重い部品の持ち上げやセット作業 |
ロボットアーム型 | 自動制御で繰り返し作業を実行 | ピッキング、パレタイジング、工程間搬送 |
スカラ/多関節型 | 複雑な軌道や角度調整が可能 | 狭小スペースでの部品挿入や検査前搬送 |
導入のメリット
- 作業者の身体的負担の軽減(腰痛・労災防止)
- 作業スピードの向上と効率化
- 精度の高い位置決めによる品質安定
- 製品の破損・落下リスクの低減
導入事例
ある自動車部品工場では、20kgを超えるギアの取り扱いを手動からハンドリングアームに切り替えたことで、作業時間が30%短縮され、同時に作業者の疲労軽減と労災リスクの低下を実現。また、不良率も25%改善しました。
選定のチェックポイント
- ワークの重量・サイズ・形状
- 可動範囲と軸構成(直交 or 多関節)
- 設置スペースとレイアウトへの適合性
- 末端ツール(グリッパー、吸着パッドなど)の種類
今後の展望
ハンドリングアームは、AI制御や力覚センサの搭載により、人との協働作業や繊細な動作が可能な次世代型へと進化しています。今後は熟練作業者の技術を代替する高精度な自動化ソリューションとして、より多くの工程で導入が進むと見込まれています。