ヒストグラム

ヒストグラムとは?

ヒストグラム(Histogram)とは、データの分布やばらつきを視覚的に把握するための棒グラフ形式の統計図です。製造業では品質管理や工程能力の分析において頻繁に使用され、QC七つ道具の1つとしても知られています。

ヒストグラムの基本構造

横軸に「階級(データの範囲)」、縦軸に「度数(その範囲に含まれるデータの個数)」をとったグラフです。個々のデータをまとめて視覚的に把握できるため、ばらつきや偏りの有無を一目で確認できます。

用語 意味
階級 値を区切ったグループ(例:60~70点など)
度数 各階級に該当するデータの数

製造現場における活用例

以下は製品の寸法検査結果をヒストグラム化した例です:

寸法(mm) 個数
98.0~98.5 3
98.5~99.0 7
99.0~99.5 15
99.5~100.0 20
100.0~100.5 18
100.5~101.0 10
101.0~101.5 5

このように、寸法データが平均値の周辺に集中しているのか、偏っているのかを直感的に把握できます。

ヒストグラムで分かること

  • 工程の安定性:ばらつきが少ないか、多いか
  • 偏りの有無:正規分布か、それ以外か
  • 不良傾向の早期発見:分布がズレていないか

他の統計手法との違い

手法 目的
ヒストグラム ばらつきの可視化 寸法データの分布把握
パレート図 重要課題の特定 不良原因の比率
散布図 2変数の相関確認 温度と歩留まり

ヒストグラムの作り方

  1. データを収集(20個以上が望ましい)
  2. 最大値と最小値を求め、階級を設定(通常6~12階級)
  3. 各階級にデータを分類し、度数をカウント
  4. 棒グラフ形式で描画

活用の注意点

  • 階級幅が狭すぎるとバラバラになり、広すぎると傾向が見えにくくなります
  • データ数が少ない場合、正確な傾向は掴みにくいです

まとめ

ヒストグラムは、工程や製品の安定性を「目で見て確認」できる、非常に有効なツールです。QC活動や改善提案時の説得力を高める武器となるため、統計的管理の第一歩としてぜひ活用しましょう。

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