引張試験機

引張試験機とは?

引張試験機とは、材料や部品を引っ張ることで、その強度や変形の特性を測定する装置です。JISやISOに基づく試験方法で、金属、プラスチック、ゴム、繊維、接着剤などの素材が対象となり、製造業・研究開発・品質保証の現場で広く使用されています。

主な使用シーン

  • 材料開発時の物性評価(引張強さ・伸び・弾性率)
  • 製造ラインにおける品質検査
  • 接着剤や溶接部の接合強度測定
  • 引張疲労試験による耐久性評価

引張試験機の構成と機能

構成要素 役割
ロードセル 荷重(引張力)を高精度で測定
クロスヘッド 一定速度で上昇・下降し、試料を伸ばす
チャック(グリップ) 試料を固定。素材に応じた専用タイプあり
制御・解析ソフト 力-変位曲線の取得、各種パラメータの演算

測定できる代表的な数値

  • 引張強さ:最大荷重 / 試験片断面積(MPa)
  • 伸び(破断伸び):伸び量 / 元の長さ(%)
  • ヤング率:弾性域での応力-ひずみ比(GPa)

導入事例と効果

あるプラスチック成形メーカーでは、引張試験機の導入により製品強度のばらつきを定量化。歩留まり向上につながり、強度不良による返品率が約45%低下しました。

選定時のチェックポイント

  1. 最大試験荷重(例:1kN~300kN)
  2. クロスヘッド速度範囲と制御精度
  3. 試料の大きさ・形状と対応チャック
  4. JIS・ISOなどの準拠試験規格

今後の展望

近年は高精度センサやAI分析と連携し、自動試験・リアルタイム解析が可能なスマート引張試験機が登場。製造現場における品質管理の即時性・信頼性を支える重要機器として、さらなる進化が期待されています。

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