非破壊検査機とは?
非破壊検査機とは、部品や製品を壊すことなく、内部の欠陥や構造の健全性を調べる装置です。X線、超音波、磁粉、浸透探傷、渦電流など多様な検査方式があり、航空宇宙、自動車、金属加工、建築業など、高い安全性と品質が求められる分野で使用されています。
主な使用シーン
- 溶接部の割れ・空洞・未溶着検出
- 鋳造品・鍛造品の内部欠陥検査
- 構造物(橋梁・建築)の劣化・損傷診断
- 電子部品・半導体パッケージの内部確認
主な検査方式と特徴
方式 | 特徴 | 用途例 |
---|---|---|
X線検査 | 密度差により内部構造を可視化 | 鋳造品、電子部品 |
超音波探傷 | 音波の反射で欠陥を検出 | 金属部品、溶接部 |
磁粉探傷 | 磁場を使って表面・近傍欠陥を検出 | 鉄鋼構造物、パイプ |
浸透探傷 | 液体の浸透性を利用して微細な表面欠陥を検出 | 非磁性金属、セラミックス |
渦電流検査 | 導電性物質内部の割れや腐食を検出 | アルミ部品、チューブ検査 |
導入メリット
- 製品を破壊せずに内部品質を確認できる
- 全数検査・抜き取り検査に対応可能
- 信頼性の高い品質管理が可能
- 熟練検査員の技能継承にも対応しやすい
導入事例と効果
ある溶接構造物メーカーでは、超音波探傷による非破壊検査を導入し、従来の切断検査に比べて廃棄率を80%以上削減。作業時間も大幅に短縮され、品質保証体制の強化につながりました。
選定時のチェックポイント
- 検査対象物の材質・形状・厚み
- 検出したい欠陥の種類(表面/内部)
- 必要な検査精度と自動化の要否
- 現場環境(防爆・防塵対応など)
今後の展望
近年はAIによる自動判定、3D X線CT、IoT連携による記録・分析機能の高度化が進んでおり、非破壊検査は単なる検出ツールから「予兆保全」「不良予測」へと進化。製造業のDX推進を支える重要な検査技術として注目されています。