工程進捗ボード(ホワイトボード式)とは?
工程進捗ボード(ホワイトボード式)とは、製造現場や倉庫、物流拠点において、各作業工程の進捗状況を目視で「見える化」するためのボードです。ホワイトボード上に工程名・納期・作業担当者・達成状況などを記入・更新することで、現場の状況把握、課題の早期発見、チームの情報共有をスムーズに行うことができます。
なぜアナログ表示が有効なのか?
デジタル管理が進む中でも、ホワイトボード式の進捗管理は「現場に最も近い情報共有ツール」として根強く活用されています。誰もがその場で即時に更新・確認でき、特別な端末やシステムが不要であるため、トラブル対応や急な変更にも柔軟に対応可能です。
主な使用シーン
- 製造ラインでの生産数・達成率の進捗管理
- 作業員別の日次タスク表示と割当て
- 各工程ごとの進捗・滞留・納期遅延の可視化
- 朝礼・夕礼での情報共有ツールとして
- 改善提案・ヒヤリハット・KYT(危険予知)の掲示
ホワイトボード式進捗管理の種類と特徴
タイプ | 構成 | 用途 |
---|---|---|
グリッド式 | 工程×日付のマス目に記入 | 日次進捗や納期管理 |
マグネットカード式 | 作業カードをマグネットで移動 | 人員配置・作業割当管理 |
バーグラフ方式 | 作業進捗をバーで視覚化 | 定量的な工程達成率表示 |
タスクボード式 | ToDo/Doing/Doneに分類 | 改善活動・KPTボードとしても活用 |
導入メリット
- 現場全員が“今どこまで進んでいるか”を即把握可能
- 作業の遅延や滞留工程を早期に発見できる
- 作業員間の役割分担が明確化され、トラブルを減少
- システム導入なしで簡単・低コストに運用開始可能
導入事例と効果
ある組立工場では、紙管理からホワイトボード式の進捗ボードに移行したことで、作業遅延の発見が平均30分早まり、応急対応にかかる時間を20%削減。また、作業員からの改善提案件数も導入前の2倍に増加しました。
選定時のチェックポイント
- ボードサイズと設置場所(現場全員が見える場所)
- 記入内容のレイアウト設計(工程軸/時間軸など)
- 使用者の運用ルール(更新時間・担当者)
- マグネット・マーカー・掲示物の整備
使用上の注意点
記入の更新を怠ると、逆に誤認情報となってしまうため、更新タイミングのルール化が重要です。また、掲示内容が多すぎると可読性が下がるため、情報の整理と優先順位付けもポイントとなります。
今後の展望
近年は、ホワイトボードの内容をカメラで撮影してクラウドにアップロードしたり、マグネットの動きをIoT化して記録する「スマートボード化」も進んでいます。アナログの強みを活かしつつ、デジタル連携による業務改善が加速しています。