マイクロメーターとは?
マイクロメーターは、0.01mmまたはそれ以下の精度で寸法を測定できる高精度測定工具です。主に製品の外径や厚みの測定に用いられ、ノギスよりもさらに精密な寸法管理が求められる場面で活躍します。
構造と読み取り方法
アナログ式のマイクロメーターは、「スピンドル」「アンビル」「スリーブ」「サムローラ」「ラチェットストップ」などから構成され、スピンドルを回して対象物を挟み、その回転角から寸法を読み取ります。
デジタル式では、液晶ディスプレイに数値が直接表示されるため、読み取りミスを防止できます。
測定精度とレンジ
項目 | 内容 |
---|---|
最小読取単位 | 0.01mm(一般的)/0.001mm(高精度品) |
測定範囲 | 25mmごとのバリエーション(例:0–25mm, 25–50mm) |
精度保証 | JIS規格に基づく検査証明書付きも選べる |
ノギスとの違い
マイクロメーターはノギスに比べ、以下のような特性を持ちます:
項目 | マイクロメーター | ノギス |
---|---|---|
測定精度 | 高(0.01mm以下) | 中(0.05〜0.1mm) |
測定対象 | 外径・厚み専用 | 外径・内径・深さなど多用途 |
使いやすさ | やや専門的 | 初心者でも使いやすい |
マイクロメーターの種類
- 外側マイクロメーター:最も一般的。外径測定に使用。
- 内側マイクロメーター:内径測定に特化。
- デプスマイクロメーター:深さの測定に対応。
- シートマイクロメーター:薄物(フィルム・板金)向け。
正しい使い方のポイント
- 測定面を清掃し、バリやゴミを除去する
- 0点確認とラチェットストップ使用で一定の測定力を確保
- 温度変化の影響を避け、手で本体を持ちすぎない
- デジタル式は定期的に電池交換と校正を行う
現場での活用例
- 精密加工部品の検査(±0.005mmなどの精度が必要な場合)
- 成形品の最終検査での寸法チェック
- 製品不良の原因分析(誤差検出)
マイクロメーターの価格と選び方
種類 | 特徴 | 価格帯 |
---|---|---|
アナログ式 | 安価で故障しにくい | 5,000〜15,000円 |
デジタル式 | 視認性が高く、記録にも便利 | 10,000〜30,000円 |
内側/深さタイプ | 特殊用途に特化 | 15,000〜50,000円 |
まとめ
マイクロメーターは、0.01mm以下の寸法測定を求められる高精度な検査・品質管理に欠かせない工具です。正しい使用と定期的な管理によって、測定誤差を防ぎ、安定した製品品質の維持に貢献します。
ノギスとの違いや作業シーンに応じて、最適なタイプを選びましょう。