マグネシウム(まぐねしうむ)

マグネシウムとは?

マグネシウムとは、原子番号12の元素で、地殻中で8番目に豊富な金属元素です。軽くて強度が高く、耐腐食性にも優れています。

原材料の種類

主な原材料としては、塩湖から採れるクロライド系マグネシウム、海水中から採れる硫酸系マグネシウム、軽金属鉱床から採れる酸化マグネシウムなどがあります。

生産方法や工程

生産方法には、電気精錬法、粉末冶金法、鋳造法、押出法などがあります。電気精錬法は、電気炉で酸化マグネシウムとフッ化カルシウムを電気分解し、マグネシウムとフッ化マグネシウムを生成して分離する方法です。

特徴

比強度・比剛性に優れており、強度が高い割に軽量で、様々な用途に向いています。また、燃焼させると白熱光を発し、航空機などの信号弾や火花弾などの照明弾に使われます。

用途

航空宇宙産業、自動車産業、電子部品、建築材料など、多様な産業で使われています。自動車産業では、軽量化のための部品に利用され、航空宇宙産業では、機体やエンジンの材料としても利用されています。

費用や価格の動向

需要と供給のバランスや原材料価格の変動によって変化します。また、市場価格は国際市場において決定されるため、為替レートの変化も価格に影響を与えます。近年、需要の増加に伴い価格が上昇しています。

生産量や需要の推移

マグネシウムの生産量は、2021年時点で世界全体で約120万トンである。中国が最大の生産国で、約80万トンを生産している。他にも、ロシア、カザフスタン、カナダ、ブラジル、アメリカなどで生産が行われている。
需要面では、自動車業界において軽量化が求められる中で、マグネシウムの需要は増加している。特に電気自動車(EV)市場の拡大に伴い、バッテリーケースや駆動モーターなどに使用されるマグネシウム合金の需要が増加している。その他、航空機や防衛産業でも使用されている。

国内外の主要生産地や輸入先、輸出先

主要生産国は、中国であり、その生産量は全世界の70%以上を占める。その他、ロシア、カナダ、カザフスタン、ブラジル、アメリカなどでも生産が行われている。輸入に関しては、日本はマグネシウムの主要輸入国であり、主に中国やロシアから輸入している。

環境負荷やリサイクルの取り組み

原料の採掘や製造過程において、二酸化炭素の排出や水質汚染などの環境負荷を抱えている。一方、マグネシウムは非常に軽量な金属であり、軽量化の観点からは重要な素材である。そのため、リサイクルによる環境負荷の削減が求められており、マグネシウムのリサイクル技術の開発が進められている。

製品の品質管理や品質基準

マグネシウム製品の品質管理には、耐食性や強度などの物理的特性に加え、純度や微量元素の含有量などの化学的特性が重要な要素となります。マグネシウム製品は軽量であり、強度が高く、高い耐腐食性を持ちますが、一方で機械加工性が低く、熱処理に敏感な性質を持っています。品質管理においては、材料の取扱いや加工における管理、製品の外観や寸法、化学的特性の規定などが含まれます。また、製品ごとに異なる基準が存在し、顧客の要求に応じて特定の基準を満たす必要があります。

製品の設計や加工方法における制約や注意点

マグネシウム製品の設計や加工方法には、材料特性や特性の変化、加工条件の制約などが考慮される必要があります。特に、マグネシウムは空気中で燃焼しやすく、粉じんの爆発性があるため、加工時には火花や熱源の管理に十分な注意が必要です。また、腐食性が強く、酸化や腐食による表面の変質が起こりやすいため、表面処理の選定や塗装による防食処理が必要です。製品の加工方法については、鋳造、押出、鍛造、切削加工などがあり、それぞれの特性に応じて最適な方法を選定する必要があります。また、加工精度や熱処理による特性変化などの要因を考慮した上で、製品の設計に取り組む必要があります。

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