耳栓とは?
耳栓は、騒音から聴覚を保護するために耳に装着する個人用保護具(PPE)です。製造業や建設現場、航空整備、金属加工など、高騒音環境での作業によって発生する「騒音性難聴」のリスクを低減する目的で使用されます。小型で携帯性に優れ、作業者一人ひとりに適した対策が行いやすい点も特徴です。
主な使用シーン
- プレス・鍛造・切削などの金属加工現場
- コンプレッサー・発電機・大型機械の周辺
- 建設現場やトンネル工事現場
- 飛行場・整備工場・大型物流センター
耳栓の種類と特徴
タイプ | 特徴 | 主な用途 |
---|---|---|
フォームタイプ | 柔らかい素材で耳にフィット。使い捨てが主流 | 中~高騒音の作業現場 |
フランジタイプ | 再利用可能で、着脱がしやすい構造 | 頻繁な装着が必要な現場 |
イヤーマフ型 | 耳全体を覆う。高遮音性で装着が簡単 | 非常に高い騒音環境(90dB以上) |
騒音低減性能の目安
耳栓には「NRR(Noise Reduction Rating)」または「SNR(Single Number Rating)」という遮音性能の指標があります。一般的なフォームタイプ耳栓はNRR20~33dBの減音効果があり、例えば100dBの環境でも最大約70~80dB程度に軽減可能です。
導入事例
自動車部品メーカーでは、90dBを超える騒音が常時発生するラインに耳栓を義務付けたことで、作業者の耳鳴りや疲労の訴えが減少。健康診断での聴力異常率が前年比40%低下する効果が見られました。
選定時のチェックポイント
- 現場の騒音レベル(dB)と遮音性能(NRR/SNR)の適合
- 装着のしやすさ・フィット感・長時間装着時の快適性
- 衛生面の配慮(使い捨て or 洗浄可能タイプ)
- 他の保護具(ヘルメット、安全メガネ等)との併用性
今後の展望
近年では、外音を一部取り入れられる「電子式耳栓」や、Bluetooth機能搭載で作業指示も受信可能な多機能耳栓が登場。騒音対策と業務効率の両立を図るスマートPPEとして注目が集まっています。