ノギスとは?
ノギスは、長さ・厚さ・深さなどを高い精度で測定できる工具で、製造業をはじめとする様々な現場で使用されています。
特に寸法検査や部品の合否判定など、数値の信頼性が求められる場面で不可欠な存在です。
ノギスの構造と測れる項目
一般的なノギスは以下のような構造を持ち、複数の測定に対応しています。
測定部位 | 用途 |
---|---|
外側ジョウ | 外径、厚みなどの外側寸法 |
内側ジョウ | 内径、溝の幅 |
デプスバー | 深さ(穴など)の測定 |
目盛/デジタル表示 | 寸法の読み取り |
ノギスの種類
- アナログノギス:手動読み取り式、コストが安く電源不要
- デジタルノギス:LCD表示で視認性が高く、誰でも扱いやすい
- ダイヤルノギス:針式でアナログでも視認性が良好
基本的な使い方とポイント
- 測定面をきれいにする(異物があると誤差の原因)
- ノギスのゼロ点を確認(0.00に合っているか)
- ジョウをしっかり密着させる(軽く押し当てる)
- 直角に当てる(傾いていると誤差が生じる)
製造業での活用例
- 部品の加工後寸法チェック(±0.05mm精度)
- 入荷品の受け入れ検査
- ライン内の抜き取り検査
誤差の要因と対策
要因 | 誤差の種類 | 対策 |
---|---|---|
読み取りミス | 人による視差・読み間違い | デジタル式の使用 |
本体の変形 | 落下や衝撃による曲がり | 保管・取扱の注意 |
異物の混入 | 粉塵やバリなどによる誤差 | 清掃と確認の徹底 |
校正と管理
ノギスも定期的な校正が必要です。一般的には年1回の社内校正または外部校正機関による点検が推奨されており、JCSS(国家計量標準)対応の校正証明書を求められることもあります。
ノギスの選び方(比較表)
タイプ | 特徴 | 価格帯 |
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アナログノギス | シンプル・故障しにくい | 1,000~5,000円 |
デジタルノギス | 読み取りが早くミスが少ない | 3,000~15,000円 |
ダイヤルノギス | 視認性良好で耐久性高め | 5,000~20,000円 |
まとめ
ノギスは、手軽に使えるにもかかわらず、精度の高い測定を可能にする「現場の基本ツール」です。正しく使い、管理することで、寸法の信頼性を担保し、品質向上につながります。
アナログ・デジタル・ダイヤルと種類も多いため、作業内容に応じた選定と活用が大切です。