リークテスターとは?
リークテスターとは、製品や部品の気密性を確認し、漏れ(リーク)がないかを検出するための検査装置です。自動車部品、医療機器、配管部材、バルブ、電子機器の防水構造など、様々な分野で使用されており、品質保証や安全性確保において重要な役割を担っています。
主な使用シーン
- 自動車の燃料系・冷却系部品の漏れ検査
- エアコン・冷蔵庫などの冷媒回路の気密確認
- 医療用シリンジやパウチ容器の密封性試験
- 電子デバイスの防水性試験(IP試験)
代表的なリーク試験方式
方式 | 特徴 | 適用例 |
---|---|---|
差圧方式 | 圧力の変化を比較して漏れを検出 | 一般的な密封構造部品 |
流量方式 | 一定圧下での空気の流れを測定 | 小さな隙間・穴の検出 |
水没方式 | 圧力をかけて水中で気泡の有無を目視 | 簡易検査・試作段階 |
ヘリウムリーク試験 | 高感度。微小な漏れの検出が可能 | 半導体・高精度電子部品 |
導入メリット
- 漏れによる事故やクレームの未然防止
- 高感度・高再現性による品質保証強化
- 工程内の全数検査による信頼性向上
- 自動化により人的コストを削減
導入事例と効果
ある自動車部品メーカーでは、差圧方式のリークテスターを導入し、冷却ラインの全数検査を自動化。検査時間を30%以上短縮し、出荷後のクレーム率も0.03%以下に抑制。品質トラブルの大幅な低減に成功しました。
選定時のチェックポイント
- 対象物の材質・容積・構造
- 必要な検出感度(例:10⁻³ Pa・m³/s)
- 生産量に応じた処理能力
- 試験環境(温度・湿度・清浄度など)
今後の展望
近年はAI判定・クラウド連携・自動トレンド分析機能を搭載した「スマートリークテスター」が登場。トレーサビリティや予兆保全に活用されるケースも増え、単なる検査装置から“品質管理の中核ツール”へと進化しています。