ダイヤルゲージとは?
ダイヤルゲージは、微小な変位・高さ・振れなどを測定するための測定工具です。目盛がついたダイヤルが針で回転し、変位量を読み取る仕組みになっています。
機械加工、組立、品質検査など多くの工程で使われており、「目に見えないズレ」を可視化できる貴重なツールです。
どんな場面で使う?
用途 | 例 |
---|---|
平行度・直角度の確認 | 加工面の歪みやズレの検査 |
芯ブレ測定 | 回転体の振れ精度チェック |
高さ測定 | 治具や段取り高さの調整 |
機械調整 | 定盤上での組立精度確認 |
構造と測定原理
主な構成は以下の通りです:
- 測定子(プランジャー):対象物に接触し、上下する軸
- ダイヤル表示部:回転針で変位を読み取る
- リミット針:基準値との偏差を示す可動針
測定子の動きがギア・ラック機構を通じて、ダイヤル針の回転に変換されます。1回転で1mmや0.5mmを表示するタイプが一般的です。
読み取り精度と表示形式
仕様 | 内容 |
---|---|
最小目盛 | 0.01mm(一般)/0.001mm(高精度) |
測定範囲 | 通常1mm〜10mm(ロングストロークもあり) |
測定方式 | 機械式/デジタル表示式(近年増加) |
使用時の注意点
- 定盤やスタンドに正確に固定(振動や傾きは誤差の原因)
- 測定面を平らに保つ(斜めに当てると正確な測定不可)
- 初期値(ゼロ点)を設定してから測定
- 一定の力で操作し、強く押しすぎない
ダイヤルゲージの種類
- 標準タイプ:機械加工の基本用途に最適
- テストインジケーター:横向きや狭い場所での測定に
- デジタルタイプ:視認性・出力機能が強化されたタイプ
選定時のチェックポイント
- 測定精度(例:0.01mm or 0.001mm)
- 測定レンジ(必要以上に広くないか)
- 取り付け可能なスタンドの有無
- 表示方式(機械式 or デジタル)
価格とモデル比較
タイプ | 特徴 | 価格帯 |
---|---|---|
アナログ式(0.01mm) | 定番・コスパ重視 | 3,000〜8,000円 |
高精度式(0.001mm) | 研究・精密機械向け | 10,000〜25,000円 |
デジタル式 | 視認性と記録性重視 | 12,000〜30,000円 |
まとめ
ダイヤルゲージは、目に見えないわずかなズレを数値化できる精密現場の定番ツールです。正しい使い方と日常点検を行えば、長期間にわたって高い信頼性を保てます。
加工精度や組立精度を維持するために、ぜひ用途に合ったモデルを導入しましょう。