ガラス・同製品製造業

窯業・土石製品製造業

ガラス・同製品製造業の概要

ガラス・同製品製造業は、ガラスやその他の類似の素材を使用して製品を製造する産業のことです。この産業には、建築用ガラス、自動車用ガラス、照明用ガラス、食器や調理器具、医療器具、光ファイバー、ディスプレイなど、多種多様な製品が含まれます。

この産業では、ガラス原料を精製し、溶解炉で溶かして、成形・加工するプロセスが必要です。さらに、表面処理やコーティングなどの工程も必要な場合があります。製造プロセスは、製品の種類や品質に応じて異なりますが、高温・高圧などの条件下で作業するため、安全性にも配慮が必要です。

ガラス・同製品製造業は、様々な産業や分野において必要不可欠な素材を提供しています。例えば、建築分野では、高耐久性や断熱性を備えた建築用ガラスが使用され、自動車分野では、安全性や視認性を確保するための自動車用ガラスが使用されます。製品の多様性や利用分野の幅広さから、ガラス・同製品製造業は、世界中で重要な産業の一つとなっています。

日本のガラス・同製品製造業について

日本のガラス・同製品製造業界は、高度な技術力を持ち、世界的にも競争力が高い産業の一つです。日本のガラス・同製品製造業界は、製品の種類や用途に応じて、多岐にわたる企業が参入しています。

日本のガラス・同製品製造業界は、自動車用ガラスや光ファイバー、ディスプレイ用ガラスなど、高付加価値製品を製造しています。また、建築用ガラスや食器、調理器具など、生活に密着した製品も多数あります。

日本のガラス・同製品製造業界の主要企業には、旭硝子、日本板硝子、住友ガラス、日本電気硝子、日本ガイシなどがあります。これらの企業は、高い技術力と製品品質を誇り、国内外で高いシェアを持っています。

また、日本のガラス・同製品製造業界は、環境技術や省エネルギー技術の開発にも注力しています。例えば、建築用ガラスの断熱性能の向上や、自動車用ガラスの軽量化技術など、環境に配慮した製品開発に取り組んでいます。

総じて、日本のガラス・同製品製造業界は、高い技術力と品質を誇り、幅広い用途に対応した製品を提供しています。今後も、高度な技術力と環境技術の開発に注力し、世界的な競争力を維持していくことが期待されます。

主な製品

ガラス・同製品製造業は、多岐にわたる製品を製造しています。以下に、代表的な製品をいくつか挙げます。

【建築用ガラス】
窓ガラス、カーテンウォール、シャワールームの扉など、建築物の外観や内装に使用されるガラス製品。

【自動車用ガラス】
フロントガラス、サイドガラス、バックガラスなど、自動車の安全性や視認性を確保するためのガラス製品。

【照明用ガラス】
照明器具のシェード、ランプカバーなど、光を拡散するためのガラス製品。

【食器や調理器具】
食器、カトラリー、調理器具など、日常生活で使用されるガラス製品。

【医療器具】
試験管、レンズ、顕微鏡など、医療や研究に使用されるガラス製品。

【光ファイバー】
情報通信用光ファイバーケーブルやセンサー、医療用光ファイバーなど、光を利用した通信やセンシング、医療分野に使用される製品。

【ディスプレイ】
テレビやスマートフォンなどのディスプレイに使用されるガラス製品。

これらの製品は、日常生活や様々な産業において必要不可欠なものとなっています。

製造工程

一般的なガラス・同製品製造業の製造工程は、以下のような流れになっています。

  1. 原材料の用意
  2. ガラス製品の原材料となるシリカ砂や炭酸カルシウム、ソーダ灰などの材料を選別し、必要な量を用意します。

  3. 混合・溶解
  4. 原材料を定められた割合で混ぜ合わせ、高温の炉で溶かします。この時、工程によって異なる熱源を使用します。

  5. 成形
  6. 溶けたガラスを、製品の形に成形します。例えば、ブロー成形と呼ばれる方法では、空気を送り込みながら、ガラスを膨らませることで、球形の製品を作り出します。

  7. 冷却
  8. 成形されたガラス製品を急速に冷却することで、ガラスを強化し、製品を完成させます。

  9. 仕上げ
  10. 完成した製品に必要に応じて、加工を行います。例えば、研磨やコーティングなどがあります。

  11. 検査・梱包
  12. 製品の品質を確認し、梱包して出荷準備をします。

以上が一般的なガラス・同製品製造業の製造工程になりますが、製品によってはより複雑な工程が必要な場合もあります。また、最近では環境負荷を軽減するために省エネやリサイクル技術の導入も進んでいます。

国内データ

以下に、日本のガラス・同製品製造業に関する主なデータをいくつか挙げます。

  • 生産額
  • 2020年度の生産額は約2兆1,600億円。
    (経済産業省調べ)

  • 従業員数
  • 2019年時点で、約18万人の従業員が働いている。
    (厚生労働省調べ)

  • 生産品目
  • 建築用ガラス、自動車用ガラス、ガラス容器、光ファイバー、医療用ガラス器具、照明用ガラス、ディスプレイなどが主要な生産品目となっています。

  • 生産地域
  • 日本全国に多くのガラス・同製品製造業メーカーがありますが、特に多くのメーカーがあるのは東海地方、関東地方、関西地方です。

  • 輸出入額
  • 2020年度の輸出額は約3,400億円、輸入額は約1,500億円。
    (財務省調べ)

  • 経営状況
  • 近年は自動車用ガラスの需要減少や、中国などアジア圏からの低価格な輸入品の競争などにより、一部のメーカーが経営困難に陥るなど、厳しい状況が続いています。

主な企業

日本には多くのガラス・同製品製造業企業がありますが、代表的な企業をいくつか挙げます。

  1. 旭硝子株式会社
  2. 日本を代表するガラスメーカーで、建築用ガラス、自動車用ガラス、光ファイバー、医療用ガラス器具、電子デバイス用ガラスなどを製造しています。

  3. 日本板硝子株式会社
  4. 自動車用ガラス、住宅用ガラス、産業用ガラスなどを製造しています。また、太陽光発電パネル用のガラスも製造しています。

  5. AGC株式会社
  6. 建築用ガラス、自動車用ガラス、電子材料、化学品、医療用材料などを製造しています。

  7. 日本電気硝子株式会社
  8. 自動車用ガラス、医療用ガラス器具、化学品などを製造しています。

  9. オービック株式会社
  10. ビーカーや試験管、ペットボトルなどのガラス容器を製造しています。

  11. 日本硝子器株式会社
  12. 食器や調理器具、工業用ガラス器具などを製造しています。

  13. トーヨーアサヒガラス株式会社
  14. 化学品、半導体材料、医療用材料などを製造しています。

  15. ニチハ株式会社
  16. 建築用ガラス、自動車用ガラス、工業用ガラス、電子材料などを製造しています。

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