航空機・同附属品製造業

輸送用機械器具製造業

航空機・同附属品製造業の概要

航空機・同附属品製造業は、航空機やその部品、装置、システム、地上支援装置、宇宙船、ロケット、およびその他の航空宇宙関連製品を製造する産業です。この産業は、航空宇宙工学、材料科学、制御工学、電気・電子工学、機械工学などの多岐にわたる分野を統合しています。

航空機・同附属品製造業は、商用航空機、軍用航空機、宇宙船、ロケット、ミサイルなどの製造を行っています。製品には、エンジン、フライトコントロールシステム、通信システム、ベアリング、強化材、航空電子機器、航空機内装などが含まれます。航空機・同附属品製造業は、安全性が求められるため、高度な品質管理と安全性確保に取り組んでいます。

日本の航空機・同附属品製造業について

日本の航空機・同附属品製造業界は、世界有数の高品質・高精度な技術を誇る産業の一つです。日本の航空宇宙産業は、世界的に有名な企業である三菱重工業、日本航空機製造、川崎重工業、IHIなどを中心に展開されています。

この業界は世界中の航空宇宙企業に部品や装置を供給するグローバルな産業であり、特に大型旅客機や小型ジェット機、ヘリコプター、宇宙開発などの分野で高い技術力を持っています。例えば、日本の三菱重工業は、ボーイング787の主翼や、三菱リージョナルジェットなどを製造しています。また、IHIはエンジン部品や航空機用タービンを製造しています。

日本の航空機・同附属品製造業界は、先進的な技術開発や品質管理に積極的に取り組んでいます。例えば、材料の高強度化や軽量化、新素材の開発、省エネルギー技術の導入などを進めています。また、安全性確保のための厳格な品質管理体制も整備されており、多くの企業がISO9001などの国際規格を取得しています。

主な製品

航空機・同附属品製造業の主な製品には以下のようなものがあります。

【航空機本体】
商用旅客機、軍用戦闘機、輸送機、ヘリコプター、ドローンなど。

【エンジン】
ターボジェットエンジン、ターボファンエンジン、ターボプロップエンジン、ロケットエンジンなど。

【電子機器】
航空機用の電子機器やアビオニクス、航法装置、通信装置、レーダー、電子兵器など。

【飛行制御装置】
フライトコントロールシステム、自動操縦装置、姿勢制御装置、着陸装置など。

【構造部品】
主翼、胴体、エンジンナセル、ランディングギア、尾翼など。

【インテリア】
座席、トイレ、食堂、エンターテイメントシステム、客室乗務員用の設備など。

【地上支援装置】
滑走路、駐機場、航空交通管制システム、燃料供給システム、航空機用地上車両など。

【宇宙用製品】
宇宙船、ロケット、人工衛星、宇宙ステーション、宇宙服など。

以上のように、航空機・同附属品製造業は、多岐にわたる製品を扱っています。それぞれの製品は、高度な技術と品質管理によって作られており、安全性や信頼性が求められています。

製造工程

航空機・同附属品製造業の製造工程には、以下のような一般的な流れがあります。

  1. 設計
  2. 製品の仕様や機能を決定し、3D CAD(コンピュータ支援設計)を用いて設計図面を作成します。

  3. 材料調達
  4. 製造に必要な素材や部品を調達します。

  5. 切削加工
  6. 材料を旋盤やフライス盤などの加工機械で切削して、製品の形状を作り出します。

  7. 形成加工
  8. 材料を圧力や熱などで形成する加工法です。プレス加工や圧力成形、鋳造、鍛造などがあります。

  9. 表面処理
  10. 表面を磨いたり、めっきや塗装を施したりすることで、製品の外観を整えます。

  11. 組立
  12. 部品や素材を組み合わせて、製品を組み立てます。熟練した技術者が手作業で作業することも多く、精度や技術力が求められます。

  13. 試験・検査
  14. 製品に不具合がないかを確認するために、各種試験や検査を行います。破壊試験、非破壊試験、放射線検査、圧力検査、耐久性テストなどがあります。

  15. 納品
  16. 製品が規格に合格した場合に、製品を納品し、顧客に届けます。

以上が一般的な航空機・同附属品製造業の製造工程の流れです。製造工程の各段階において、高度な技術力や品質管理が求められます。

国内データ

以下は、日本の航空機・同附属品製造業に関する国内データです。

  1. 航空機製造業の2019年度の国内出荷額は2兆4,422億円、輸出額は6兆2,781億円でした。
  2. (経済産業省「平成31年産業連関表(産業連関統計表)の結果について」より)

  3. 航空機部品製造業の2019年度の国内出荷額は5兆1,626億円、輸出額は5兆3,382億円でした。
  4. (経済産業省「平成31年産業連関表(産業連関統計表)の結果について」より)

  5. 航空機・宇宙機器製造業の2019年度の従業員数は約20万人でした。
  6. (独立行政法人航空機技術研究所「航空宇宙産業白書2020」より)

  7. 航空機・宇宙機器製造業の2019年度の研究開発投資額は約1,146億円でした。
  8. (独立行政法人航空機技術研究所「航空宇宙産業白書2020」より)

航空機・同附属品製造業は、日本の製造業の中でも高い付加価値を持つ分野の一つです。また、世界的な需要増加や、航空機の燃費や安全性の向上を目指す動きがあることから、今後も成長が期待されています。

主な企業

日本の航空機・同附属品製造業には多数の企業が参入していますが、以下はその中でも代表的な企業です。

  1. 三菱重工業株式会社
  2. 株式会社IHI
  3. 川崎重工業株式会社
  4. 日本航空機製造株式会社
  5. 日立金属株式会社
  6. 住友金属鉱山株式会社
  7. 日本精工株式会社
  8. アルプスアルパイン株式会社
  9. 大和ネクスト株式会社
  10. 東京エレクトロンデバイス株式会社
  11. 日本電産株式会社

これらの企業は、航空機のエンジン、部品、システムなどを製造しており、国内外で高い評価を得ています。

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