東京都は、日本の製造業の中では比較的比重こそ小さいものの、多様な業種と高付加価値な製品を扱う拠点です。本記事では、事業所・従業者数から出荷額、産業分布や注目企業まで、定量データを交えて幅広くご紹介します。
東京都における製造業の基本データ
指標 | 数値(最新) | 全国での順位 |
---|---|---|
製造業事業所数 | 14,861事業所 | 全国第3位 |
従業者数 | 249,577人 | 全国第8位 |
製造品出荷額等 | 7兆2,029億円 | 全国第15位 |
付加価値額 | 2兆9,035億円 | 全国第10位 |
(2021〜2022年データ、経済センサス‐活動調査より)
産業分野別の分布
- 事業所数で突出して多い分野:印刷・同関連業が最大構成比
- 製造品出荷額では、輸送用機械関連産業が最上位
東京都の製造業における産業分野比率(中小企業)
業種 | 構成比(製造業全体における割合) |
---|---|
材料・金属部品 | 19.7% |
一般・精密機械 | 19.6% |
紙・印刷 | 18.1% |
注目企業(一部)
- ソニーグループ株式会社:都内本社企業において売上高1位(約9兆円)
- 日本製鉄株式会社:東京都内に拠点を持つ製造系大手企業のひとつ
- 日立製作所:製造業分野でも存在感があり、働きがいや平均年収でも高評価な企業
立地特性と都市構造の影響
東京では都市再開発と製造業の再編が進行中です。京浜地域の電気機械メーカーなどでは工場の集約化や用途転換の動きが見られ、都心部では商業・住宅への転換も起きています。
製造業の位置づけと今後の見通し
都内製造業は全国比では規模が小さい一方、高い産業集積と多様な分化が進んでいる点が特長です。DX推進や高付加価値・中小連携が進むことで、新たな展開が期待されます。
まとめ
東京都の製造業は、全国規模では上位とは言えませんが、印刷・機械・輸送用機械など多様な分野に強みと専門性を持っています。注目企業の存在や都市的背景と合わせて、戦略的に見ると地域製造業の新しい価値が見えてきます。