山梨県の製造業

コラム

山梨県は、精密機械・宝飾、ロボット産業などが集積する独自の製造業基盤を持つ地域です。また、ミネラルウォーターやワインなど、食品・飲料関連の産業でも全国に知られています。本記事では、山梨県の製造業に関する主要データや産業構成、注目企業について整理します。

山梨県の製造業 基本指標(令和3年時点)

指標 数値
製造業事業所数(従業者4人以上) 1,676事業所
従業者数 72,124人
製造品出荷額等 2兆5,302億円

(令和3年度 経済センサス‐活動調査 より)

製造業分野別の構成割合

項目 構成比
生産用機械器具製造業(事業所数) 12.2%
その他の製造業(事業所数) 11.6%
食料品製造業(事業所数) 9.4%
生産用機械器具製造業(出荷額) 31.3%
食料品製造業(出荷額) 9.8%
電子部品・電子回路製造業(出荷額) 9.1%

(令和3年度 経済センサス‐活動調査 より)

市町村別 出荷額ランキング(2022年)

市町村 出荷額(億円)
山梨県全体 29,047
甲府市 2,997
韮崎市 2,832
南アルプス市 3,105
北杜市 2,746
中央市 1,541
富士吉田市 1,006
都留市 586

(2022年度 工業生産統計より)

立地特性と産業の強み

山梨県は、甲府盆地を中心とした電子・機械・宝飾加工の集積が顕著で、特に精密部品や宝飾品(クリスタルや宝石細工)では世界的にも評価されています。加えて、南アルプスや富士山麓の良質な水資源を活用したミネラルウォーターやワイン産業も県の特色となっています。

注目企業と主要産業

  • FANUC(ファナック)本社:精密産業用ロボット・FAシステムのグローバルリーダー(忍野村)
  • 宝飾・宝石加工業:甲府市は世界有数の宝飾加工産地として知られる
  • Suntory 白州蒸溜所(北杜市):天然水を活かしたウイスキー製造拠点
  • 山梨ワイン:県内の約100のワイナリーが日本のワイン生産の約半分を占める
  • Musashi Energy Solutions(南アルプス市):ハイブリッドスーパーキャパシタ製造工場を増産予定(2026年完成予定)

課題と今後の展望

山梨県の製造業は省人口・立地制限の中にあって、高付加価値産業に特化しています。今後の課題としては、人口減少への対応や人材確保、さらなる高付加価値化・ノウハウのデジタル化、省エネ運用などが挙げられます。複合産業(観光×工場見学など)の開発も期待されます。

まとめ

山梨県の製造業は、「精密機械」「宝飾」「食品・飲料」の三本柱で地域経済を支えています。豊富な水資源と伝統技術の融合に加え、世界企業の拠点も多く、製造業ポータルとして注目される価値の高い地域です。

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