中小企業のIoT導入コスト比較

コラム

中小製造業のIoT導入、実際いくらかかる?

「IoTで工場の見える化をしたい」「でも費用が読めず手が出せない」――そんな悩みを抱える中小製造業は少なくありません。

この記事では、中小企業がIoTを導入する際に実際にかかる費用感を、導入パターン別に比較しながら、費用対効果の高い進め方について解説します。

IoT導入にかかる主な費用項目

まず、IoT導入には以下のようなコストがかかります:

項目 内容 概算費用(目安)
センサー類 温度・湿度・稼働状況などの検知 5,000~30,000円/個
通信装置 LoRa/Wi-Fi/LTEなど 30,000~150,000円/台
IoTゲートウェイ データの集約と転送 50,000~300,000円
クラウド/可視化ツール BIダッシュボードなど 月額10,000~50,000円
工事/配線/設定費 初期導入サポート 100,000~500,000円

→ 規模にもよりますが、1ライン(小規模)での導入総額は50万〜150万円が相場です。

導入規模別のコスト比較

導入規模 対象 初期費用(目安) 月額費用(目安)
スモールスタート型 1台の設備 約50~80万円 5,000~10,000円
ライン単位導入 1ライン5~10台 約100~200万円 10,000~30,000円
工場全体導入 全工程(20台以上) 約300~1,000万円 30,000~100,000円

費用対効果が高い導入例

実際の導入事例では、以下のような効果が出ています:

  • 設備稼働率の「見える化」により、遊休時間を30%削減
  • 紙日報を廃止し、作業記録の集計時間を月20時間削減
  • 異常停止のリアルタイム通知で復旧時間を平均12分短縮

補助金を活用した費用軽減

中小企業では、国や自治体の補助金制度を活用することで導入コストを抑えられます。

制度名 支援内容 補助額(上限)
ものづくり補助金 IoT導入による生産性向上 最大1,250万円(補助率1/2~2/3)
IT導入補助金 クラウド型システムの導入 最大450万円(補助率1/2)
各自治体の独自補助 IoTモデル導入・実証実験 数十万~数百万円

現実的な導入ステップとは?

  1. 業務課題を明確化(稼働率?不良率?見える化?)
  2. 対象機器を1~2台に絞って試験導入
  3. 現場スタッフに操作研修・慣らし運用
  4. 効果を数値化して、他工程へ横展開

「全体導入」ではなく、まずは部分導入でROI(投資対効果)を検証するのが成功の鍵です。

まとめ

中小製造業においても、IoT導入は手が届く投資になりつつあります。スモールスタート・補助金活用・外部パートナーの活用を組み合わせれば、費用を抑えつつ効果的にDXを推進できます。

「まずは1台から」のIoT導入、ぜひ一歩踏み出してみてください。

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