栃木県は「ものづくり県」として製造業が県内経済を支える重要な存在です。製造業が県内総生産(GDP)に占める割合は全国第2位に位置し、輸送用機器、医療機器、化学、食品などの多様な分野で高い競争力を示しています。本記事では、定量データを中心に、産業構成と注目企業、立地特性などを詳しく整理しています。
栃木県の製造業 基本データ(令和3年時点)
指標 | 数値 | 増減率(対前年度) | 全国順位 |
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事業所数 | 3,903件 | −3.4% | ― |
従業者数 | 195,131人 | −4.1% | ― |
製造品出荷額等 | 8兆2,353億円 | −8.2% | 全国第12位 |
付加価値額 | 2兆6,681億円 | −9.4% | ― |
有形固定資産投資額 | 2,702億円 | −27.2% | ― |
(出典:令和3年経済センサス‐活動調査・栃木県)
品目別 出荷額と構成比(2022年)
品目 | 出荷額(億円) | 構成比 |
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輸送用機械器具 | 12,255 | 12.9% |
飲料・たばこ・飼料 | 10,337 | 10.9% |
電気機械器具 | 9,317 | 9.8% |
生産用機械器具 | 7,839 | 8.3% |
化学工業 | 7,242 | 7.6% |
食料品製造 | 6,846 | 7.2% |
プラスチック製品製造 | 5,811 | 6.1% |
市町村別 出荷額ランキング(2022年)
地域 | 出荷額(億円) |
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栃木県合計 | 9兆4,783 |
宇都宮市 | 2兆2,539 |
小山市 | 1兆1,470 |
栃木市 | 9,556 |
真岡市 | 6,798 |
大田原市 | 6,331 |
足利市 | 3,925 |
佐野市 | 4,920 |
(出典:帝国書院 分析データより)
立地特性と産業集積
栃木県は首都圏に隣接する地理的優位を活かし、「ものづくり県」の名にふさわしく、輸送機器・光学機器・医療機器・化学など多様な産業が広がっています。宇都宮市や那須塩原周辺にはR&Dと製造が融合した産業基盤が形成されています。
注目企業と産業分野
- ブリヂストン(那須塩原市):主要タイヤ製造拠点
- ボッシュ/ホンダ:自動車部品(自動ブレーキ等)の製造・研究開発
- キャノン、富士フイルム、ニコン関連企業(宇都宮・那須烏山):光学・精密機器分野
- 医療・製薬関連企業(宇都宮市・大田原市):医療機器やバイオ領域で集積
今後の課題と展望
産業の多様性が強みですが、さらなる高度化や、地域間連携による新規産業創出、脱炭素やDXへの対応が必要です。産学官連携による研究開発や、国際競争力強化が今後の鍵となります。
まとめ
栃木県は製造業の高度化、多様性、地域経済への貢献が際立つ地域です。多くの産業分野で全国屈指の構成比を誇る製造業を誇り、今後もさらなる成長が期待されます。製造業ポータルとしても注目される地域です。