加工紙製造業の概要
加工紙製造業は、木材やリサイクル紙を原料として加工して、さまざまな種類の紙製品を製造する産業です。加工紙製造業では、原料の受け入れから、紙の製造、製品の加工、製品の梱包、販売、そして配送までの一連の工程が行われます。
加工紙製品には、梱包材、印刷用紙、コピー用紙、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、紙皿、紙コップ、紙ナプキン、紙テープなどがあります。加工紙製造業は、私たちの日常生活に欠かせない様々な製品を提供しています。また、リサイクル紙を原料とすることで、環境への負荷を軽減することもできます。
日本の加工紙製造業について
日本の加工紙製造業界は、高い技術力と品質管理によって世界的にも高い評価を得ています。日本は、世界の加工紙製造業の中でもトップクラスの生産量を誇り、多くの企業が競争力の高い製品を生産しています。
主要な加工紙製造業企業としては、王子ホールディングス、日本製紙グループ、大王製紙、ニッセイ、住友林業、三菱製紙グループ、中越パルプ工業、日本トイザらスなどがあります。これらの企業は、多様な加工紙製品を製造しており、国内だけでなく海外市場にも積極的に進出しています。
日本の加工紙製造業界は、環境問題にも積極的に取り組んでおり、リサイクル紙の使用やエネルギー効率の改善などを推進しています。また、高度な技術力を生かして、環境負荷の少ない製品の開発にも力を入れています。
日本の加工紙製造業界は、多様な製品を生産し、世界中で高い評価を受けています。今後も、技術力や環境への配慮を継続的に向上させ、グローバルな競争力を維持していくことが求められています。
主な製品
加工紙製造業の主な製品には以下のようなものがあります。
【梱包材】
段ボール、紙袋、紙箱、紙管などの梱包材があります。
【衛生用品】
トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ナプキン、おむつなどの衛生用品があります。
【印刷用紙】
コピー用紙、印刷用紙、チラシ、カタログ、パンフレット、書籍などの印刷用紙があります。
【食品関連製品】
紙皿、紙コップ、ストロー、紙製のお弁当箱やパックなど、食品関連の製品があります。
【包装用材料】
ラッピングペーパー、ギフトボックス、テープ、リボンなどの包装用材料があります。
【工業用紙】
サンドペーパーや研磨紙、耐油紙、防水紙、防湿紙など、工業用途に特化した製品があります。
加工紙製造業は、多様な製品を生産しており、私たちの生活に密接に関わる製品が多く含まれています。また、近年では、環境に配慮した製品の開発が進められており、リサイクル紙や環境負荷の少ない素材を使用した製品も増えてきています。
製造工程
加工紙製造業の製造工程には、以下のような一般的な流れがあります。
- パルプの製造
- 紙の製造
- 仕上げ
- 印刷
- 梱包
まず、原材料の木材や古紙を煮沸し、繊維を取り出してパルプと呼ばれるものを製造します。
製造されたパルプを、水と混ぜながら、機械で薄い板状に成形し、乾燥させます。
製造された紙を、必要に応じて切断、穴あけ、折り畳み、接着などの加工を行い、完成品に仕上げます。
必要に応じて、製造された紙に印刷を行い、印刷製品として完成させます。
完成品を、適切なサイズの段ボール箱や紙袋、紙箱などに梱包し、出荷準備を行います。
上記の流れは一例であり、製品や企業によって異なる場合があります。また、加工紙製造業界では、環境負荷の少ない製品を生産するために、リサイクル紙の使用や省エネルギーの取り組みなど、さまざまな環境対策を行っていることも特徴の一つです。
国内データ
以下は、加工紙製造業の国内データの一部です。
- 生産量
- 輸出入
- 従業員数
- 事業所数
- 製品別の生産量
2021年度（令和3年度）の生産量は約280万トンで、前年度比3.3%増加しました。
2021年1月から11月の累計輸出額は約545億円で、前年同期比7.2%増加し、主要な輸出先はアジア諸国や北米です。同じ期間の累計輸入額は約248億円で、前年同期比2.8%増加し、主要な輸入元はアジア諸国やヨーロッパです。
2019年度末の従業員数は約12万人で、そのうち女性従業員の割合は約32%でした。
2020年度末の事業所数は約1,600箇所で、うち生産拠点は約770箇所、営業拠点は約830箇所でした。
2021年度における、製品別の生産量の内訳は以下の通りです。
パルプ・紙：82.7%
紙容器包装：11.4%
衛生用紙：3.7%
ラベル・テープ：1.2%
その他：1.0%
以上は、厚生労働省や日本製紙連合会の発表に基づく国内データの一部です。製品別の生産量などは、年度や企業によって異なる場合があります。
主な企業
日本の加工紙製造業界には、多数の企業が存在しています。以下に、代表的な企業をいくつか挙げます。
- 日本製紙グループ
- 大王製紙グループ
- 王子ホールディングスグループ
- 花王グループ
- 常磐製紙グループ
- 石川島播磨重工業
- ニッポンペイントグループ
- 太陽工業
（日本製紙、日本製紙クレシア、日本製紙パルプ工業など）
（大王製紙、東洋紙器など）
（王子製紙、王子フイルムなど）
（花王フライスなど）
（常磐製紙、常磐興産など）
（イシカワ・ジャパンなど）
（ニッペホールディングス、ニッペクリーン、ニッペペイントなど）
（太陽プラスチックなど）
これらの企業は、パルプ・紙、紙容器包装、衛生用紙、ラベル・テープ、フィルムなど、幅広い製品を取り扱っています。また、環境負荷の少ない製品や再生資源を活用した製品を生産するための研究開発や取り組みを行っている企業も多く、環境に配慮した取り組みが求められる加工紙製造業界において、注目を集めています。
