印刷業

印刷業の概要

印刷業とは、書籍、雑誌、新聞、広告、パンフレット、ポスターなどの印刷物を製造する産業です。印刷業は、デザイン、レイアウト、印刷、製本、配送などのプロセスを通じて、印刷物の製造に携わっています。

印刷業は、紙媒体のみならず、デジタル印刷やオンラインメディアの分野にも進出しています。印刷業は、出版社、広告代理店、デザイン会社、企業、政府機関など、様々な業界と協力して、印刷物の製造を行っています。

日本の印刷業について

日本の印刷業界は、高度な技術力と高品質な製品で世界的に有名です。日本の印刷業界は、主に以下のような分野で活躍しています。

【出版印刷】
書籍や雑誌、新聞などの出版物の印刷を手掛けています。日本の印刷業界は、高品質な印刷技術や製本技術を持ち、世界的に高い評価を受けています。

【商業印刷】
企業や広告代理店などが作成するパンフレット、ポスター、カタログなどの商業印刷を手掛けています。デジタル印刷の技術進化により、小ロットでの製造も可能となっています。

【医療・食品関連印刷】
医療機器や医薬品、食品パッケージなどの印刷を手掛けています。高い品質管理と安全性が求められるため、技術力の高さが要求されます。

【デジタル印刷】
近年は、スマートフォンやタブレットなどの普及に伴い、デジタル印刷の需要が増えています。小ロットやカスタマイズがしやすく、短納期での製造が可能です。

日本の印刷業界は、国内市場だけでなく、アジアや北米、欧州などにも製品を輸出しており、世界的に高い評価を得ています。しかし、近年はデジタル化や省エネ化の進展などの影響で、厳しい競争が続いています。

主な製品

印刷業の主な製品には以下のものがあります。

【書籍や雑誌】
小説、専門書、雑誌など、様々なジャンルの書籍や雑誌を製造しています。

【新聞】
日刊紙や週刊紙など、様々な種類の新聞を製造しています。

【商業印刷物】
広告やポスター、パンフレット、チラシ、カタログなどの商業印刷物を製造しています。

【パッケージ】
食品や医薬品などの商品パッケージを製造しています。

【ラベル】
食品や飲料、化粧品などの製品に貼るラベルを製造しています。

【カード類】
名刺やポイントカード、クレジットカードなど、様々な種類のカードを製造しています。

【カレンダーや手帳】
企業の名前やロゴを入れたカレンダーや手帳を製造しています。

【パズルやゲーム】
パズルやトランプなどのゲームを製造しています。

【デジタル印刷物】
デジタル印刷による書籍、雑誌、ポスター、名刺、フライヤー、チラシなどを製造しています。

これらの製品は、様々な業界や企業、個人などに利用されています。

製造工程

印刷業の製造工程は大きく以下のようなステップに分かれます。

1. デザイン

印刷する製品のデザインを作成します。このステップでは、文字や画像の配置や色彩、フォントなどを決定します。

2. プリプレス

デザインを印刷するために必要なデータを作成する工程です。データの修正や、版（プレート）作成などを行います。

3. 印刷

印刷機でデータを印刷します。印刷機の種類によって、製品に応じた印刷方法を選択します。例えば、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、デジタル印刷などがあります。

4. 仕上げ加工

印刷した製品に必要な加工を施します。例えば、切断、折り目、箔押し、エンボス加工、UV加工などがあります。

5. 検品・梱包

製品の品質をチェックし、不良品を除外します。そして、製品を梱包し、出荷準備をします。

6. 出荷

製品を出荷します。出荷先に応じた輸送方法を選択し、納期を守って製品を納品します。

以上が、一般的な印刷業の製造工程となります。ただし、製品によっては工程の一部を省略したり、特殊な加工を必要とする場合があります。

国内データ

以下に、日本の印刷業の国内データをいくつか挙げます。

• 2019年の印刷・出版・情報関連サービス産業の売上高は、約11兆円でした。

（出典：経済産業省「平成31年版 情報通信白書」）

• 2019年の印刷業の生産額は、約4兆円でした。

（出典：総務省「平成31年 商業統計調査」）

• 2020年の印刷工場数は、4,376工場でした。

（出典：総務省「平成31年工業センサス 全国調査」）

• 2020年の印刷業の従業員数は、約105,000人でした。

（出典：総務省「平成31年工業センサス 全国調査」）

• 2020年の印刷物の生産額は、書籍が1兆3,408億円、カタログ・パンフレットが1兆1,760億円、ポスターが997億円などとなっています。

（出典：総務省「平成31年 商業統計調査」）

以上が、日本の印刷業に関する主な国内データとなります。

主な企業

日本の印刷業には多数の企業が存在しますが、以下に代表的な企業をいくつか挙げます。

1. 大日本印刷株式会社（DNP）

東京都千代田区に本社を置く大手印刷会社。書籍やカタログ、パンフレットなどの印刷製品を中心に手がけ、また、ICカードやパスポートなどの高度なセキュリティ製品も取り扱っています。

2. 三菱製紙株式会社

東京都千代田区に本社を置く紙メーカーで、主に紙やパルプの製造販売を行っています。また、印刷に必要な各種用紙や印刷プレス機器の製造販売も手がけています。

3. 藤森工業株式会社

東京都中央区に本社を置く印刷会社で、高度な技術力を持っていることで知られています。フレキソ印刷やグラビア印刷、シルクスクリーン印刷などを手がけ、医療用品や自動車部品、食品包装など多彩な分野で活躍しています。

4. 朝日印刷株式会社

東京都千代田区に本社を置く印刷会社で、雑誌や書籍、パンフレットなどを手がけています。また、包装資材の製造販売も行っています。

5. 太平洋印刷株式会社

東京都中央区に本社を置く印刷会社で、主に出版物や広告物、カタログなどの印刷を手がけています。また、DTP制作やWebデザインなども行っています。

以上が、日本の印刷業において代表的な企業の一部です。