貴金属製品製造業

その他の製造業

貴金属製品製造業の概要

貴金属製品製造業は、貴金属を使用して宝飾品や工芸品、その他の高級製品を製造する産業です。貴金属とは、金や銀、プラチナなどの希少で高価な金属を指します。

この産業は、宝石店や時計店、デパートなどで販売される高級なアクセサリーや装飾品の製造に関与しています。また、貴金属を使用したメダルやトロフィー、記念品、勲章なども製造されます。さらに、高級腕時計や眼鏡の部品としても貴金属が使用されています。

貴金属製品製造業は、技術力やデザイン性が求められる産業です。職人の手作業による製造が一般的ですが、最近では3DプリンターやCADなどの技術が導入され、より効率的な製造が行われるようになっています。

日本の貴金属製品製造業について

日本の貴金属製品製造業界は、高品質かつ精巧な製品が評価され、世界的に有名です。代表的な製品としては、和風の伝統的な金属工芸品から、モダンで洗練されたデザインのジュエリーまで、多岐にわたります。

また、日本の職人は緻密な技術と美意識を兼ね備えており、伝統的な手作りの技術を駆使して、高品質な貴金属製品を作り出しています。そのため、日本製の貴金属製品は高い評価を受け、海外でも高い需要があります。

ただし、近年は国内需要の減少や価格競争の激化などの厳しい環境下に置かれていることも事実です。しかし、高品質かつ緻密な技術を持つ日本の職人たちは、その技術を生かし、デザインや技術革新などに注力し、世界的な競争力を維持しています。

主な製品

貴金属製品製造業の主な製品には、以下のようなものがあります。

【宝飾品】
イヤリング、ネックレス、ブレスレット、指輪、ピアスなど、宝石や貴金属を使用した装飾品です。

【工芸品】
貴金属を使用した工芸品で、茶道具、花器、香炉、印章、飾り物、置物などがあります。

【記念品】
貴金属を使用して作られた記念品で、メダル、トロフィー、勲章、金属製のパーツなどがあります。

【腕時計の部品】
時計のケース、針、文字盤、バンドなどに貴金属を使用した高級な腕時計の部品があります。

【ペン先】
プラチナや金を使用した高級なペン先があります。

これらの製品は、高品質で高級感があり、特別な機会や記念品として使用されることが多く、職人の手作りによって製造されることが一般的です。

製造工程

金属製品製造業の製造工程は、一般的に以下のような流れで行われます。

  1. 設計
  2. 製品の設計を行います。この段階では、CADや3Dプリンターなどの最新技術を用いて、製品の形状やサイズ、材料、仕上げなどを詳細に決定します。

  3. 材料選定
  4. 製品に使用する金属の種類を選定し、必要に応じて素材を加工します。

  5. 切削加工
  6. 材料を加工して、製品の形状に近づけます。切削工具やフライス盤などを使用して、金属を削り出します。

  7. 形状加工
  8. 切削加工で得られた金属部品を、さらに細かい形状に整えます。折り曲げ、曲げ、スタンピング、鍛造などの方法があります。

  9. 溶接
  10. 金属部品を溶接して、製品の構造を完成させます。

  11. 仕上げ加工
  12. 製品の表面を磨いたり、塗装やめっき処理を施したりして、製品の見た目を整えます。

  13. 検査
  14. 製品の品質を確認するために、検査を行います。外観検査や寸法検査、耐久性や強度などの検査を行い、問題があれば修正します。

  15. 組み立て
  16. 製品の部品を組み立てて、完成品に仕上げます。

  17. 梱包
  18. 製品を梱包して、出荷の準備をします。

以上が、金属製品製造業の一般的な製造工程の流れです。製品によっては、特殊な工程が必要な場合がありますが、基本的にはこのような流れで行われます。

国内データ

金属製品製造業の国内データは、日本の総務省統計局が公表している統計データを元に以下にまとめます。

  • 産業規模: 2020年の金属製品製造業の生産額は、約18兆1,700億円でした。
  • 雇用: 2020年末現在、金属製品製造業の雇用者数は、約85万人でした。
  • 生産品目別シェア: 金属製品製造業の生産品目別のシェアは、以下の通りです。
    • 機械装置用金属製品: 31.6%
    • 自動車用金属製品: 25.6%
    • 建設用金属製品: 7.5%
    • 電気・電子部品用金属製品: 6.3%
    • その他: 28.9%
  • 地域別シェア: 地域別の生産額シェアは、以下の通りです。
    • 東京都: 20.4%
    • 愛知県: 17.3%
    • 大阪府: 11.9%
    • 神奈川県: 8.6%
    • 兵庫県: 5.6%
    • その他: 36.2%
  • 海外需要: 金属製品製造業の輸出額は、2020年において約8兆9,000億円であり、製造品目別のシェアは、以下の通りです。
    • 自動車用金属製品: 34.8%
    • 機械装置用金属製品: 14.1%
    • 半導体製造用金属製品: 12.6%
    • その他: 38.5%

主な企業

日本の金属製品製造業には多くの企業が存在していますが、以下に主な企業をいくつか挙げてみます。

  1. 三菱マテリアル株式会社
  2. 住友金属鉱山株式会社
  3. 日本製鉄株式会社
  4. 信越化学工業株式会社
  5. 新日鉄住金株式会社
  6. 三井金属鉱業株式会社
  7. JFEスチール株式会社
  8. 日鉄住金物産株式会社
  9. 東邦チタニウム株式会社
  10. 古河電気工業株式会社

また、金属製品製造業には中小企業も多く、地域に密着した製品を提供する企業も存在します。

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