アラミド(あらみど)

アラミド(Aramid)は、強靭さと耐久性に優れた合成繊維の一種である。その名前は “aromatic polyamide”(芳香族ポリアミド)の略称に由来し、化学的にはアミド結合に芳香族環が結合した構造を持つ。

非常にとても強く、耐火性、耐腐食性、耐摩耗性にも優れており、高い耐久性が求められる分野で幅広く使用されている。代表的な用途としては、防弾チョッキ、航空機の構造材料、船舶のロープ、タイヤコード、電線被覆材、自動車部品、スポーツ用品、音響機器などがある。

強さは、繊維内部の分子間力によるものである。また、アラミドの熱伝導率は低く、熱膨張率も小さいため、高温環境でも安定した性能を発揮する。しかし、アラミドはUV光に弱く、長期間の日光曝露により劣化することがある。

代表的なアラミド製品としては、デュポン社が開発したケブラー(Kevlar)や、テクニポール社が開発したタワロン(Twaron)などがある。これらのアラミド製品は、高い強度を持ちながらも軽量で、防弾チョッキなどのように人体に負担をかけずに高い防護性能を発揮することができる。

一方、製造には原料の多大なエネルギー消費や化学物質の使用が伴うため、環境に負荷をかける問題が指摘されている。近年では、再生繊維などの代替素材の開発が進められているが、アラミドの高い性能と信頼性は、今後も重要な要素として求められることが予想される。

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