温湿度データロガーとは?
温湿度データロガーとは、一定間隔で温度および湿度の測定値を記録(ロギング)する機器です。倉庫や製造現場、研究施設、食品・医薬品の保管・輸送管理などで使用され、品質管理やトレーサビリティの確保に欠かせない装置です。近年ではクラウド連携やワイヤレス通信機能を備えたモデルも増加しています。
主な使用シーン
- 医薬品・試薬・精密機器の保管環境の監視
- 食品工場や冷蔵倉庫での温度管理
- 電子部品の湿度管理(静電気防止)
- 研究施設・実験室での環境記録
- 輸送中の品質保持・記録(コールドチェーン対応)
温湿度データロガーの種類と特徴
タイプ | 特徴 | 用途例 |
---|---|---|
USBタイプ | データはPCに直接接続して取得 | 倉庫・研究室・定点測定 |
無線通信タイプ | Wi-Fi/Bluetoothでリアルタイム監視 | 遠隔監視・複数拠点での一元管理 |
クラウド対応タイプ | 記録データをクラウドに自動送信 | 食品・医薬品の輸送管理 |
導入メリット
- 人手不要で24時間連続監視・記録が可能
- データの可視化・グラフ化により傾向分析が容易
- 異常検知による品質事故の未然防止
- 監査・法規制対応(GMP・HACCPなど)に有効
導入事例と効果
ある食品メーカーでは、全倉庫に温湿度データロガーを導入し、冷蔵保管の品質管理を強化。記録ミスがゼロになり、異常発生時の迅速な対応が可能に。HACCP認証取得の大きな後押しとなりました。
選定時のチェックポイント
- 測定範囲と精度(例:温度±0.5℃、湿度±3%RH)
- 記録間隔・保存件数(例:1分〜60分間隔、1万件以上)
- 通信方式(USB/Bluetooth/クラウド)
- バッテリー寿命・防水防塵性能
今後の展望
AIによる異常検知や、自動アラート通知、他機器との連携による環境制御など、データロガーは「監視から予測・制御」へと進化中。スマートファクトリーやIoT物流の中核機器としての役割が期待されています。