生産実績入力端末とは?
生産実績入力端末とは、製造現場で作業者がその場で生産数・不良数・作業時間・段取り情報などをリアルタイムに入力・報告できる端末機器です。タッチパネル式やバーコードリーダー付き、PLC・MESとの連携型などがあり、手書き日報や後追い入力に頼らない“現場即時データ化”を実現します。
なぜ実績のリアルタイム入力が必要なのか?
製造現場では、実績を「その場・その時」に記録することで、タイムリーな状況把握、問題の早期発見、進捗管理の精度向上が可能になります。手書きや記憶頼みの実績管理では、転記ミスや時間差による判断遅れが発生するため、デジタル端末による即時入力が注目されています。
主な使用シーン
- 製造ラインにおける生産数/不良数/停止理由の入力
- 作業者ごとの稼働時間・段取り時間の記録
- 製番別・ロット別の実績記録とトレーサビリティ確保
- 日報/時間別生産分析のデータ収集
- PLC・MESとの連携による進捗管理
入力端末の種類と特徴
端末タイプ | 特徴 | 用途例 |
---|---|---|
タッチパネルPC | 直感的操作が可能。現場設置向き | 各工程の入力用ステーション |
ハンディ端末 | バーコード読取対応。軽量・携帯型 | 倉庫・検査・ピッキング作業 |
タブレット型 | Wi-Fi通信対応。柔軟に設置可能 | 多品種少量現場や試作工程 |
キオスク端末 | 専用筐体で堅牢性◎。大型画面 | 複数人で共用する集中入力ポイント |
導入メリット
- 紙管理・手書き入力を廃止し転記ミスゼロへ
- リアルタイムな進捗・問題把握が可能
- 作業者ごとの作業分析・改善が可能に
- MES/ERPと自動連携で集計・分析の自動化
導入事例と効果
ある樹脂成形メーカーでは、紙の日報入力からタッチパネル式の入力端末に切り替え。1日あたりの実績入力にかかる工数が延べ5時間削減され、管理部門の集計作業も半日→10分に短縮。不良対応の即時把握も可能になり、クレーム発生件数が30%減少しました。
選定時のチェックポイント
- 入力項目と操作性(UIの直感性・多言語対応)
- 設置環境に適した筐体(防塵・防水・耐衝撃性)
- 通信方式(有線LAN/Wi-Fi/4Gなど)
- 連携先システムとの互換性(MES/ERP/クラウド)
使用上の注意点
現場の負担にならない入力UI設計が重要です。ボタン数を最小限に、選択式メニューを多用し、誤操作や入力漏れを防ぐ仕組みを構築する必要があります。また、電源や通信トラブル時の対応もマニュアル化しておくことが推奨されます。
今後の展望
今後は音声入力・画像認識・AI補完による“非接触&高精度”な入力端末へと進化し、完全なハンズフリー実績収集も可能になると考えられます。スマートファクトリー実現の基盤として、今後も重要性を増していく装置です。