赤外分光法(せきがいぶんこうほう)

赤外分光法は、物質の構成や組成を調べるための非破壊的な分析技術です。物質に赤外線を照射して、吸収された波長帯を測定することで、物質の分子構造や化学結合の種類、量、状態などを解析することができます。赤外分光法は、有機化合物や高分子化合物、薬品、食品、石油製品、ポリマーなどの材料分析に広く用いられています。

原理

赤外分光法では、物質が赤外線を吸収することにより、分子振動が励起されます。物質の分子には、結合振動、角振動、変角振動などがあり、これらの振動に対応するエネルギーの量は、赤外線の波長に相当します。吸収された波長帯の強度や形状は、分子の種類や構造、化学結合の種類や数、置換基の有無などによって異なります。

測定手順

赤外分光法の測定手順は、次のようになります。
1. サンプルを分光器にセットし、赤外線を照射する。
2. 吸収された赤外線の波長帯を分光器で分散し、検出器で測定する。
3. 測定値を解析し、波長帯の位置や強度、形状から物質の分子構造や組成を特定する。

応用例

赤外分光法は、以下のような応用例があります。
1. 化学物質の分析、特に高分子化合物や生体分子の構造解析。
2. 食品、農産物、医薬品、石油製品などの品質管理、不純物の検出、成分分析。
3. 環境分析、大気汚染物質や水質汚染物質の検出、分析。
4. 製品開発、材料設計、プロセス開発、反応機構解

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