自動ネジ締め機とは?
自動ネジ締め機とは、部品や製品の組立工程においてネジを自動で供給・位置決め・締め付けする装置です。作業者の手作業に代わり、迅速かつ正確なネジ締めを実現することで、製造ラインの生産性向上や品質安定に貢献します。
主な構成と動作の流れ
- ネジ供給装置:振動ボウルや直進フィーダーでネジを供給
- 送り装置:供給されたネジをドライバー先端へ搬送
- ドライバーユニット:設定トルクでネジを自動締結
- 位置決め機構:XYステージや多軸アームによりターゲット位置へ移動
自動ネジ締め機の種類
種類 | 特徴 | 主な用途 |
---|---|---|
ハンドタイプ | 作業者が手持ちで操作、ネジ供給は自動 | 小ロット対応、狭所作業 |
卓上タイプ | 固定式で自動XY移動、繰返し精度が高い | 電子機器・精密機器の組立 |
多軸タイプ | 複数本同時にネジ締め可能 | 大量生産・自動車部品など |
導入メリット
- 作業時間の短縮(手作業比で最大50%以上の効率化)
- 締め忘れ・締め過ぎなどの人為ミス防止
- トルク管理による品質の均一化
- トレーサビリティの確保(締付けログ保存など)
導入事例
電子機器メーカーでは、1台で毎時800本のネジ締めが可能な自動ネジ締め機を導入。従来の人手作業と比べ、作業時間を約60%短縮、締め忘れゼロを達成。製品リードタイムの大幅な短縮に成功しています。
選定時のチェックポイント
- ネジサイズ・形状・材質
- 締め付けトルクと精度(例:±5%以内)
- ネジ供給方式(吸着式/ピック式など)
- 設置スペースや自動機との連携可否
今後の展望
AI・画像認識との融合により、ネジの種類や締結位置を自動識別するシステムが登場しています。これにより、人の介入を最小限に抑えたフルオート化が進み、少量多品種生産に対応した柔軟なネジ締め工程が実現しつつあります。