建設用粘土製品製造業

窯業・土石製品製造業

建設用粘土製品製造業の概要

建設用粘土製品製造業とは、主に建築や土木工事などの建設現場で使用される様々な粘土製品を製造する産業です。これらの製品には、レンガ、屋根瓦、排水管、タイル、壁材、床材、セメントなどが含まれます。

この産業は、世界各地で重要な役割を果たしており、建設業界の成長とともに需要が高まっています。また、環境にやさしい建材の需要が増加しているため、自然素材である粘土製品の需要も増えています。

粘土製品製造業は、伝統的に手作業で行われていましたが、現在では機械化された製造プロセスが主流となっています。製造工程は、粘土の加工、成形、乾燥、焼成などが含まれます。製品の品質と信頼性を確保するため、粘土の選別、検査、品質管理なども重要な役割を果たしています。

日本の建設用粘土製品製造業について

日本の建設用粘土製品製造業界は、古くからの伝統的な技術や工法を基盤として、高品質な製品を供給する産業です。日本の粘土製品は、世界的にも高い評価を受けており、特に屋根瓦や陶器の技術は世界的に有名です。

日本の建設用粘土製品製造業界は、近年の建設業界の発展に伴い、多様な製品を提供するようになっています。例えば、吸音性や断熱性に優れた壁材や床材、環境に配慮した再生粘土を使用した製品など、需要に応じた製品が生産されています。

また、粘土製品の製造プロセスにおいて、環境に配慮した取り組みも進んでいます。例えば、省エネルギーを実現するために、再利用可能なエネルギーを導入するなど、製造工程における環境への負荷低減に取り組んでいます。

日本の建設用粘土製品製造業界は、世界中の建設現場で高い評価を受けており、今後も高品質な製品を提供し続けることが期待されています。

主な製品

建設用粘土製品製造業の主な製品には、以下のようなものがあります。

【レンガ】
住宅や建物の外壁や内壁に使用される建材。

【屋根瓦】
屋根に使用される瓦の一種で、日本では古くから使用されてきた伝統的な建材。

【タイル】
床や壁面、キッチンなどに使用される陶製のタイル。

【壁材・床材】
吸音性や断熱性に優れた材料で、内装材として使用される。

【排水管】
建物や道路などの排水に使用される管。

【セメント】
コンクリートやモルタルなどの材料に使用される建材。

【土管】
水やガスなどの通路に使用される管。

【土砂などの輸送用容器】
土砂や廃材の輸送に使用される容器。

これらの製品は、建設現場で広く使用されており、建物や道路などの様々な施設の建設に必要不可欠なものです。

製造工程

建設用粘土製品製造業の製造工程は、一般的に以下のような流れで行われます。

  1. 粘土の採掘
  2. 原料である粘土を採掘します。粘土は、地下深くから掘り出すことがあります。

  3. 粘土の練り合わせ
  4. 採掘した粘土を練り合わせ、均一な状態にします。この際、水を加えて柔らかくすることもあります。

  5. 成形
  6. 練り合わせた粘土を成形します。成形方法は、手作業や機械的な方法があります。例えば、レンガは金型に粘土を流し込んで成形する方法が一般的です。

  7. 乾燥
  8. 成形した製品を乾燥させます。この際、自然乾燥や乾燥機を使用することがあります。

  9. 焼成
  10. 乾燥した製品を窯で焼成します。焼成には、高温の炎を使用することが多く、焼成温度や時間は製品によって異なります。焼成によって、製品に強度や耐久性が生まれます。

  11. 検査
  12. 製品の外観や品質を検査します。不良品があれば、再度成形や焼成を行い、再度検査を行います。

  13. 包装・出荷
  14. 検査が完了した製品を包装し、出荷します。

以上が、建設用粘土製品製造業の一般的な製造工程です。製品によって、工程や製造方法が異なる場合があります。

国内データ

以下に、建設用粘土製品製造業の国内データをいくつか紹介します。

  • 生産額
  • 2020年の生産額は、約2400億円(財務省統計局)となっています。

  • 従業員数
  • 2019年の従業員数は、約23,000人(総務省統計局)となっています。

  • 主な製品別生産量
  • 主な製品別の2019年の生産量は、レンガが約67万トン、屋根瓦が約99万枚、排水管が約47万トン、タイルが約5,000万平方メートル、セメントが約1,056万トン(総務省統計局)となっています。

  • 地域別生産量
  • 地域別の2019年の生産量は、西日本が約45.6%、東日本が約39.7%、中部地方が約14.6%となっています(総務省統計局)。

  • 輸出入額
  • 2021年1月から11月までの建設用粘土製品の輸出額は約87億円、輸入額は約33億円(財務省関税局)となっています。

以上が、日本の建設用粘土製品製造業に関する一部の国内データです。

主な企業

以下に、日本の代表的な建設用粘土製品製造業の企業をいくつか紹介します。

  1. LIXILグループ株式会社
  2. 屋根瓦やレンガ、タイルなどの建材を製造しています。

  3. トスヒ株式会社
  4. プレキャストコンクリート製品や排水管、人工大理石などの建材を製造しています。

  5. 日本粘土株式会社
  6. 道路用の土工製品や特殊な粘土製品を製造しています。

  7. サンワサプライ株式会社
  8. 石材調タイルや窯業製品、床材などの建材を製造しています。

  9. 鷲見製作所株式会社
  10. 煙突や暖炉、各種排気装置などの煙道製品を製造しています。

  11. 大井化成工業株式会社
  12. 環境土壌改良材や建設用接着剤、防水材料などの建材を製造しています。

  13. トーヨーセメント株式会社
  14. セメントやコンクリート製品、建築資材などを製造しています。

以上が、代表的な建設用粘土製品製造業の企業の一部です。

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