ブチルゴム(ぶちるごむ)

ブチルゴムとは、高分子化合物の一種であり、主にイソブテンとイソプレンから合成される合成ゴムの一種です。ブチルゴムは、天然ゴムと比べて耐熱性や耐油性が優れており、加工性も良いことから、自動車部品、タイヤの内側層、シール材料、接着剤などの分野で幅広く使用されています。

ブチルゴムは、独自の分子構造を持ちます。ブチルゴムの分子は、イソブテンとイソプレンの重合体で構成されており、イソプレン単位がブチルゴム内でランダムに配列されています。この分子構造により、ブチルゴムは高い気密性を持ち、空気を透過しないため、タイヤの内側層やエアコンホースなどのシール材料として使用されます。

また、ブチルゴムは熱可塑性であり、加熱により柔軟性が増します。このため、接着剤としても使用され、金属やガラス、プラスチックなどのさまざまな素材を接着することができます。

製造過程において硫黄を使用しないため、加硫剤としての硫黄による発生物質をほとんど含まないという利点もあります。これにより、環境への負荷が低く、また人体にも影響を与えにくいとされています。

総じて、優れた物理特性を持ち、幅広い用途に利用される合成ゴムの一種であることがわかります。

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