弾性率(だんせいりつ)

弾性率とは、物体が外力によって変形した場合に、変形が解除されたときに物体が元の形状に戻る性質を示す指標です。具体的には、外力によって物体が引っ張られたときに、物体がどれだけ変形するかを表すヤング率や、外力によって物体が圧縮されたときに、物体がどれだけ変形するかを表す圧縮率などがあります。

弾性率は、物体の物理的な性質によって異なります。例えば、金属は一般的に強い弾性率を持ちます。これは、金属の結晶構造が比較的整然としているため、変形が生じた場合にも元の状態に戻りやすいからです。一方、ゴムやプラスチックは比較的低い弾性率を持ちます。これは、その材料が柔らかく、分子間の結合が弱いため、変形が生じた場合にも元の状態に戻りにくいからです。

弾性率は、物体の強度や剛性、熱膨張率などの物理的性質にも影響を与えます。例えば、高いヤング率を持つ金属は、引っ張られた場合にも変形が少なく、強度が高いため、橋や建築物の構造材料に使用されることが多いです。一方、低いヤング率を持つゴムは、柔軟性が高く、衝撃を吸収することができるため、車のタイヤや靴底などに使用されます。

弾性率は、物体が外力によって変形した場合に、どれだけ変形するかを表す指標であり、物体の物理的性質に影響を与える重要な指標の1つです。

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