研磨材・同製品製造業の概要
研磨材とは主に金属やガラス、セラミックなどの表面を研磨するための粉末状の材料のことです。研磨材には、研磨剤として使用される酸化物、炭化物、窒化物などのセラミックス粉末やダイヤモンド、シリコンカーバイトなどの超硬物質などがあります。
同製品製造業とは、研磨材をはじめとする各種工業用粉末や、電子部品、セラミックス、カーボンなどの機能性材料を製造する産業のことです。同製品製造業は、自動車や家電、半導体などの産業の基盤として重要な役割を担っています。製造工程においては、原料の選定や混合、成形、焼成、研磨加工、検査などの工程を経て製品が完成します。また、高度な技術や研究開発の成果を取り入れることで、製品の品質や性能の向上に取り組んでいます。
日本の研磨材・同製品製造業について
日本の研磨材・同製品製造業界は、高度な技術力と品質管理によって、世界中から高い評価を得ています。以下に、代表的な製品や企業について紹介します。
【研磨材】
セラミックス粉末:高い研磨性能と耐摩耗性を備えた、酸化アルミニウムや窒化ホウ素などのセラミックス粉末が代表的な研磨材として知られています。
ダイヤモンド砥粒:ハードさが最も高い天然の砥粒で、硬質材料の研削・研磨に用いられます。
シリコンカーバイト砥粒:ダイヤモンドに次いで硬質な砥粒で、超硬合金やセラミックスなどの研削・研磨に用いられます。
【同製品製造業】
自動車産業:エンジン部品やトランスミッション部品、ブレーキパッドなどに使用される金属粉末を製造する企業が多く存在し、高品質な製品を提供しています。
電子部品産業:ICチップや半導体などの製造に欠かせない高純度粉末の製造が盛んで、グローバルな需要に応えています。
セラミックス産業:高温・高圧環境下での利用に適した耐熱性・耐蝕性に優れたセラミックス製品の製造が盛んで、医療機器や燃料電池などに利用されています。
日本の代表的な研磨材・同製品製造企業には、東レ、住友電気工業、信越化学、三菱マテリアルなどがあります。これらの企業は、高度な技術力や品質管理によって、世界中の顧客から高い評価を受けています。
主な製品
研磨材・同製品製造業の主な製品には、以下のようなものがあります。
【研磨材】
- セラミックス粉末
- ダイヤモンド砥粒
- シリコンカーバイト砥粒
酸化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素などのセラミックス粉末。
工具研削用、石材・ガラス加工用、半導体製造用など。
超硬合金、セラミックスなどの研削・研磨用。
【同製品製造業】
- 自動車産業
- 電子部品産業
- セラミックス産業
- カーボン産業
エンジン部品、トランスミッション部品、ブレーキパッド、車輪、ベアリング、ガスケットなどの製品。
半導体、ICチップ、LED、パワーデバイス、メモリなどの製品。
セラミックスボール、セラミックススリーブ、セラミックスヒーター、セラミックスキャップなどの製品。
カーボンファイバー、カーボンブラシ、カーボングラファイト、電極などの製品。
以上のような製品を、研磨材・同製品製造業界では高品質・高精度で製造し、多様な産業分野で使用されています。
製造工程
研磨材・同製品製造業の製造工程は、製品の種類や材料によって異なりますが、一般的な工程は以下のようになります。
【研磨材】
- 材料の選定
- 粉砕・混合
- 粉末の形成
- 焼成・加工
酸化アルミニウム、窒化ホウ素、ダイヤモンド、シリコンカーバイトなど、研磨材の種類に応じた原料を選定する。
原料を粉砕し、必要に応じて混合する。
粉状の原料を加圧成形して、所定の形状の砥粒を作成する。
成形した研磨材を高温で焼成し、硬化させる。焼成後に必要に応じて加工を行い、品質を確認する。
【同製品製造業】
- 材料の選定
- 材料の加工
- 研磨・研削
- 熱処理・焼成
- 塗装・コーティング
- 品質検査・出荷
製品に必要な材料を選定する。
選定した材料を加工し、所定の形状に加工する。
製品の表面を平滑化するために、研磨や研削を行う。
製品の性能を向上させるために、熱処理や焼成を行う。
製品に必要な場合には、塗装やコーティングを行う。
製品の品質を確認し、必要ならば修正を行った後、出荷する。
以上のような工程を通じて、高品質・高精度な製品が製造されます。ただし、製品の種類や材料によっては、より複雑な工程が必要な場合もあります。
国内データ
研磨材・同製品製造業の国内データについて、以下にまとめます。
【研磨材】
- 2020年度の研磨材の国内生産額は、約1,600億円であり、前年度比マイナス2.7%となっています。
- 研磨材の主な生産地は、愛知県、兵庫県、福岡県などです。
- 主要な研磨材の種類は、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、ダイヤモンド、シリコンカーバイトなどです。
- 研磨材は、自動車部品や精密機器、光学機器、セラミックスなどの加工に利用されます。
【同製品製造業】
- 2020年度の同製品製造業の国内生産額は、約3兆3,000億円であり、前年度比マイナス6.4%となっています。
- 同製品製造業の主な生産地は、愛知県、東京都、兵庫県などです。
- 同製品製造業は、自動車、航空宇宙、電子機器、半導体、医療機器、建築材料などの製造に利用されます。
以上のように、研磨材・同製品製造業は、自動車や精密機器などの産業分野に密接に関連しており、日本の製造業全体において非常に重要な位置を占めています。
主な企業
研磨材・同製品製造業の主な企業には、以下のようなものがあります。
【研磨材】
- 住友電気工業株式会社
- 三菱マテリアル株式会社
- 日本精研株式会社
- 旭ダイヤモンド工業株式会社
- 株式会社ノリタケカンパニーリミテド
【同製品製造業】
- トヨタ自動車株式会社
- 本田技研工業株式会社
- 日立製作所株式会社
- パナソニック株式会社
- ソニー株式会社
以上の企業は、研磨材や同製品製造業において世界的に高い技術力や市場シェアを誇っている企業です。